斎藤氏への世論「批判から熱狂」に変わった"本質" 斎藤知事「告発→失職→復活」までの経緯(下)

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

立花氏には、斎藤知事の右腕で、7月に辞任した片山安孝前副知事の「代理人」を称する県議が接触し、片山氏からの「手紙」と音声記録を渡している。「手紙」には、斉藤知事によるパワハラやおねだり疑惑についての告発文書を配布した、西播磨県民局長(当時)の公用パソコンには”不倫日記”が残されていたことが記されていた。

また、音声記録には県知事選への影響がないように秘密会とされた10月25日の百条委員会で、元局長のプライバシーに言及しようとした片山氏を遮る同委員会の奥谷謙一委員長の声が入っていた。

百条委員会は7月8日の理事会で、プライバシーに関する資料の開示を禁止していた。にもかかわらず、片山氏はそれを破って発言し、その音声記録を流出させたわけだ。

「片山氏VS.記者」の構図に

百条委員会での証言を終えた片山氏は、数名の記者からの質問を受けたが、この時の音声記録も外部に流出している。記者たちは片山氏がなぜ取り決めを破ったのかを問うたが、その意味を知らない第三者にとっては、「事実を述べる片山氏」VS.「事実を隠蔽しようとする記者たち」という構図にしか見えない。

立花氏もまた、11月2日未明に動画で「自死した元局長が不同意性交等罪を犯した可能性が高い」と言い出した。「実は証拠はパソコンに全部入っている」「副知事はパソコンの中身を全部見ている、証拠としてとっている」「人事課が全部ちゃんとプリントアウトしてファイルにしている」とまくしたて、片山前副知事側から得た情報であることを暗示した。

なお不同意性交等罪とは2023年の刑法改正で、かつての「強制性交等罪」と「準強制性交等罪」を一本化したものだ。法定刑は「5年以上の有期懲役」で公訴期間は15年。同罪は非親告罪なので、被害者の告訴がなくとも検察は被疑者を起訴できる。

関連記事
トピックボードAD
政治・経済の人気記事