AIブームで急成長の「ディスコ」とはどんな会社か 平均年収1500万!半導体製造装置で世界トップシェア

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しかしそれ以上に驚きなのは、平均60%超という粗利率の高さです。同社の決算説明資料によると、「当期は、為替影響による追い風のほか、高付加価値製品の需要増」により、粗利率がさらに上昇。これに伴い営業利益は前期比10.0%増の1215億円、最終利益は同1.6%増の842億円となり、いずれも4期連続で最高益を達成しました。

一方で、費用はどうでしょうか。販管費を調べると、直近5年で1.8倍に増加したものの、売上に占める販管費の割合は6ポイント減。販管費を約2倍に増額してもなお、販売費率が低下するほど、ここ数年の売上の伸びが急激であることが読み取れます。

また、販管費のうち、最も大きな割合を占めるのが人件費で、当期は296億円(34.0%)を割いています。有価証券報告書によると、同社の平均年間給与は約1507万円。国税庁の調査では、国内の平均年間給与は458万円ですから、平均の3倍以上の高給です。

ところが、同社の労働分配率(※)を計算すると19.6%しかありません。経産省の調査では、国内製造業の労働分配率の平均は46.6%なので、27ポイントも低い値です。これは平均の3倍以上の給与を出しても、労働分配率を低く抑えられるほど、同社が生み出す付加価値が莫大であることを意味します。

※会社が生んだ付加価値(売上高から、原材料費、外注費、水道光熱費、消耗品費などを差し引いた額)のうち、どれだけ賃金として従業員に還元しているかを表す比率。簡便法で「人件費÷(営業利益+人件費)」で目安が求められる

売上の約9割は海外!半導体メーカーが熱視線

この驚異的な付加価値の高さは、同社が持つ類まれな技術力から生み出されています。ディスコの主要製品は、半導体製造に欠かせない精密加工装置とそのツールの2つ(→下図)で、売上の63%を加工装置が占めています。

(画像:『100分でわかる!決算書「分析」超入門 2025』)

主要取引先は、半導体や電子部品のメーカーで、特に近年は、IC(集積回路)製造用途の需要が高まっています(→下グラフ)。 

(画像:『100分でわかる!決算書「分析」超入門 2025』)
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