急成長レーザーテック「空売り屋」が標的のナゼ 注目指標「会計利益先行率」ランキングも公開
5カ月を費やした300ページ超のレポートで得たものとは——。
企業の不正会計を調査し、カラ売りを仕掛けたうえで調査レポートを公表する「カラ売りファンド」。上場企業で圧倒的な売買代金を誇る、半導体関連のレーザーテックがターゲットになった。
「カチカチと秒読みをはじめた時限爆弾。場所は日本。厖大な詐欺を働いている企業がある。株式市場で売買代金首位の銘柄だ」
刺激的なタイトルでレーザーテックの「不正会計」疑惑を指摘するレポートを6月5日に公表したのは、アメリカのカラ売りファンド、スコーピオンキャピタル。調査には5カ月、20名以上への関係者への取材を行ったとする、334ページにわたる大作のレポートだ。
株の「カラ売り」とは、足元の株価が高すぎると判断し今後は下がると予想されるときに行う投資手法だ。証券会社から株を借りて市場で売り、値下がり時に買い戻して借りた分の株を返却する。株価が下がるほど利益になる。
キャッシュが少なすぎる?
レーザーテックは、最先端半導体の製造に使われるEUV(極端紫外線)露光装置に必要なマスク・マスクブランクス検査装置を手がけている企業だ。現在この分野で競合はおらず、市場を独占している。
同社は、株式市場においてもっとも有名な企業といえる。というのも、2023年の売買代金は約70兆円で全上場銘柄の中で断トツの1位。この5年で約20倍にまでなった株価が個人投資家を呼び寄せている。
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