急成長レーザーテック「空売り屋」が標的のナゼ 注目指標「会計利益先行率」ランキングも公開

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この指標は、会計上の純利益が実際のキャッシュフローに対して何倍あるかを表したもの。企業の収益の「質」を判断するもので、利益に実際のキャッシュフローの裏付けが伴っていない、つまり会計利益先行率が高い場合、収益の質が低いともいえる。

一方で、レーザーテックのように急成長している企業でもこの指標は高くなる傾向にある。前述のように会社の規模以上に受注が積み上がり、在庫の確保のためにキャッシュが圧迫されるからだ。

そこで「次のターゲット」になりそうな、流動性が高くPER20倍以上と割高な企業の中から、会計利益先行率が高い企業を以下でランキングした。

成長企業が続々ランクイン

レーザーテックを抑えて1位になったのは、同じく半導体関連装置を手がけ、広島県に本社があるローツェ。半導体工場内で使われる半導体ウェハーの搬送装置を手がけている。近年の半導体工場の建設ラッシュを追い風に、膨大な受注残を抱えるといった点はレーザーテックと同様だ。

ほかの企業も半導体関連などをはじめ多くの受注残を抱える、いわゆる成長企業がズラリと並ぶ。

TBSホールディングスが2位になったのは、同社が3%を保有する東京エレクトロン株の評価益によるもの。上昇が続く東京エレクトロン株の値上がり益は純利益に計上されるに対し、売却によるキャッシュインが追いつかず、キャッシュを伴わない利益が計上され続けている。

レポートが発表された2日後までにレーザーテックの株価は10%程度下落したものの、すぐに反発している。5カ月間の調査による大作レポートの成果として割にあったのだろうか。

石阪 友貴 東洋経済 記者

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いしざか ともき / Tomoki Ishizaka

早稲田大学政治経済学部卒。2017年に東洋経済新報社入社。食品・飲料業界を担当しジャパニーズウイスキー、加熱式たばこなどを取材。2019年から製薬業界をカバーし「コロナ医療」「製薬大リストラ」「医療テックベンチャー」などの特集を担当。現在は半導体業界を取材中。バイクとボートレース 、深夜ラジオが好き。

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