「空気が読めない」部下にモヤっとしたらすべき事 発達障害グレーゾーンの人へ適切な対処法とは

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ASDの傾向があるJさんの場合

統計処理など数字を扱うことが得意なJさん(男性20代)は、マーケティング戦略室に所属しています。その部署はプロジェクトごとにチームが組まれており、Jさんが属するチームは現在繁忙期の真っ只中にあります。

Jさんは、指示された仕事はいつもきっちり処理しており、ミスをしたこともほとんどありません。

しかし、自分がやるべき仕事が終わるとボーッとしていたり、他のメンバーがどんなに忙しそうにしていても、定時になれば当然のように帰宅したりします。

チームの他のメンバーは、そんなJさんにイラッとすることもあるようです。定時に帰ろうとする彼に対して、「なにか急いで帰らないといけない理由でもあるの?」とか、「これはチーム全員の仕事でもあるんだけど……」などという言葉を投げかけることもあるということです。

しかし、Jさんには言葉の背後にある真意は伝わっていないようで、「定時になったので帰るだけです」と言って、悪びれもせず帰ってしまいます。

言葉の裏を読むことが苦手

■なぜ、このようなことが起こるのか?

JさんのようにASD傾向のある人は、言葉の裏側にある相手の真意などを読み取ることが得意ではありません。また、ASDに多いといわれるデジタル脳(0か1かで捉えるため、中間を理解することが苦手)タイプの人は、人間の心のような0か1かで割り切れないものを、きっちりと把握することができません。

そのため、ぼかした言い方や嫌味などが伝わりにくいことがよくあります。周囲の状況を判断し、空気を読むことが苦手なのです。

■周りはどうしたらいいのか?

ASD傾向のある人は、同じチームの他のメンバーが忙しそうにしているときは手伝うべきだ、などという“暗黙のルール”のようなものを思い浮かべることが苦手です。

一方で、就業時間など、はっきりと決まっている職場の規則やルールを忠実に守ることは得意です。

リーダーは、ASDの特性を理解したうえで、他のメンバーの仕事を手伝うようにという指示を、そうすべき理由とともに早めに伝えるようにすると良いでしょう。彼らは臨機応変に対応することが得意ではないため、早めに伝えておくのがポイントです。

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