時代錯誤と逆風も「ミスキャン」なぜ開催される? 不祥事多発やルッキズム批判も「学祭から消えない理由」

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

2000年代半ばには候補者に選ばれた時点でブログを開設する流れができはじめ、2010年代半ばにはSNSを開設する流れが主流となった。そうすると、盛り上がりは学内だけではなく、ネット上にも広がっていく。

その流れが一番うまくまわっていたのが、2010年代の半ばで、2015年のミス青山学院コンテストでは、ファイナリストとして出場を表明した山賀琴子に、すぐに数万人のフォロワーがつくという事象が見られた。

山賀琴子
2015年のミス青山学院コンテストに出場し、即座にインフルエンサーとなった山賀琴子。現在もInstagramでは40万人超のフォロワーを誇る(画像:本人の公式Instagramより)

「インフルエンサー」を目指す人が多出

これに目をつけたのがスポンサー企業で、ソフトバンクなどの大手企業が各大学のミスキャンパスコンテストに協賛。出場者たちにPR投稿をさせて企業の宣伝に使おうという流れに波及した。

有名大学のミスキャンパスコンテストのファイナリストになれば、ある程度のフォロワー数が見込めるため、出場者の中には女子アナやタレントではなく、インフルエンサーを目指そうとする者も現れるようになっていった。

山賀琴子は、グランプリ受賞後、大手芸能事務所・研音に所属し、女優を目指すことに。ドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』にも出演したが、すぐに退所。現在は自分のジュエリーブランドを立ち上げるなど、インフルエンサーとしての影響力を仕事につなげている。

また、2020年の準ミス青山学院の新田さちかも、コンテスト後に所属したホリプロを3年間でやめて、アパレルブランドを立ち上げている。ほかにも、山賀と同じ2015年にミス青学に出場した中村麻美や、2016年度ミス立教の楫真梨子など、インフルエンサーとしてブランドを立ち上げる者が多く、それがひとつのモデルケースとなっている。

つまり、インフルエンサーとしての成功例が増える一方で、ミスキャンパスコンテスト出場者を芸能事務所が預かって大きくするという流れは成功例が出づらくなっているのだ。もちろん、どちらが優れているというわけではないが、ネットのない時代のシンデレラストーリーに比べれば、小粒化し、現実味が増してしまった印象だ。

次ページ2020年は、ミスキャンパスコンテストが「オンライン化」
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事