時代錯誤と逆風も「ミスキャン」なぜ開催される? 不祥事多発やルッキズム批判も「学祭から消えない理由」

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このとき、筆者は『スッキリ』や『サンデー・ジャポン』など、多くの情報番組に出演して解説をしたが、そもそもミスキャンパスコンテストが大学の公式イベントではなく、いちサークルによって行われているということに驚いている人が多かった印象だった。

大学がお墨付きを与えたものではなく、あくまで学生たちが自主的に美女を選ぶ催しをしているにすぎない――という構造に気付いた人もいるのではないだろうか。

さらに、この年にファイナリストとして選出されていたものの、コンテストが行われなかったため順位が決定されなかった“幻のミス慶応”6名のうち、結果的に2名がキー局のアナウンサーとなった(2018年に日本テレビに入社した岩田絵里奈と、2020年にフジテレビに入社した渡邊渚)。

ミス慶応といえど、ひとつの代から2人のキー局アナウンサーが出るのは“豊作”な年である。これによって、コンテストでグランプリや準グランプリを選出すること自体が重要なわけではない、ということがあらわになったと言ってもいいだろう。

ミス慶応
2024年の「ミス慶応コンテスト」の出場者(画像:「MISCOLLE」サイトより)

「新たなミスキャン」は盛り上がっていない

次に、2020年にはルッキズムを助長しているといった批判の高まりを受けて、上智大学と明治学院大学のミスキャンパスコンテストが中止に。両大学とも「ソフィアンズコンテスト」と「Meiji Gakuin Contest」という、ルックスではない基準で選抜するコンテストを代替で開催した。

このときも筆者のもとにNHKのニュース番組から出演依頼があったが、「ルックスで選ぶよりも選考基準が曖昧で、学生が学生の人間力を測るなど不遜にもほどがあるし、盛り上がらないはず」といったことを事前取材で語ったところ、「今回は新たなコンテストで価値観を変えようとする学生の頑張りにスポットを当てたい」という理由で出演取りやめの連絡がきた。

実際の番組もそのようなつくりだったが、この番組に限らず、メディアはミスキャンパスコンテストの中止を“時代の流れをくんだ新たな価値観の創出”と捉え、この新たなコンテストを応援する空気を醸成していたように思う。

次ページスタートこそそれなりの注目を集めたが…
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