ミスドが「めちゃくちゃ閉店?」噂の裏で進む変化 商品にも空間にも付加価値を大きくつけている

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同社はその理由を「カフェ」業態が台頭してきたことによって客足を奪われたことや、「テイクアウト」だけに頼る収益構造になっていたことに求めている。

だが、そこから現在まで店舗数が回復している。 

赤字からの脱却にあった「商品戦略」と「空間戦略」 

実はこうした業績の向上はコロナ禍直後の2021年から起こっているが、その背景には意欲的なメニュー戦略がある。2017年からはじめた他社製品との共同開発メニュー「misdo meets」など、新製品がヒットを飛ばしたのだ。 

これは、GODIVAや祇園辻利といった他のメーカーと共同で開発したドーナツとのことだが、その人気が高く、ミスド人気に火を付けた。また、ブランドとのコラボの他にもポケモンやミニオンなど、キャラクターをはじめとしたIPとのコラボレーションも人気を博している。 

食事メニューに力を入れたことも回復の要因だと指摘する声もある(筆者撮影) 

実は、もう一つの回復原因が「店舗の改装」。24年3月期では103店舗が改装されているが、実はこの動きは2018年ごろから起こっていて、前述した営業赤字に対応するため、ドーナツの持ち帰りだけでなく、店内飲食を重視した造りに店の構造を変えていった。 

そのため、店内にはソファ席やコンセントなども作り、外観もおしゃれで入りやすい黒を基調としたものにした。改装が難しい店舗は移転や閉店が検討され、実際、「閉店になった店舗の、近いところで新たな店舗がオープンする」という事例が増えている(福山松永店が閉店し、東尾道店として移転予定……など)。 

黒を貴重としたおしゃれなミスド(筆者撮影) 

つまり、改装のために閉店したりリニューアルしたりする店舗もあり、決して閉店がマイナスな意味だけではないことに注目したい。

ミスドは「空間への注力」を行っているのである。 

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