ミスドが「めちゃくちゃ閉店?」噂の裏で進む変化 商品にも空間にも付加価値を大きくつけている
そんなことはない。ミスドは大量閉店していないし、なんならその業績は好調だ。
筆者にはこの投稿が間違っている、と批判する意図はない。ただ、実はこのポストには、近年のミスドの変化が顕著に表われていると思ったので、解説したい。
客数も客単価も増加している
実際、ミスドの業績はどうなっているのか。同ブランドを運営するダスキンの2024年3月期決算資料を見てみると、ほとんどの売り上げをミスドが占めるフードグループの売上高は約584億円。
前期の約489億円から19.6%の増加をしており、期のはじめに予想として出した567億円よりも上回る結果となった。
こうした売上高を支えるのが、客数と客単価の増加。客単価についても6.1%の上昇で、客数も11.9%増加。ここ数年で何度かの値上げを行っているが、客離れが起きるどころか、客数は増えているのだ。簡単に言えば、「絶好調」といったところである。
では、冒頭の投稿で話題になっていた店舗数についてはどうだろうか。同決算資料を見てみると、2024年3月時点の稼働店舗数は全国で1017店舗。前期の新規出店は39店舗で、1000店舗の大台を回復している。
「回復」といったのは、ミスド、2021年期には店舗数が961まで減っていたからだ。2014年3月の1350店舗と比較すると、400店舗近くが閉店するという、文字通りの「大量閉店」が起こっていたのだ。
割合で言えば29%の店舗が閉鎖となった計算になり、事実、売り上げでみても2014年期から営業赤字が続いていた。
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