「命に別条はない」の本当の意味、わかりますか? 意識はある?ない?ニュースでよく聞く言葉の裏側

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警察からすれば、単に「やりました」といわれただけでは、自白をしたことにはならない。そこで、こういった場合、対外的には「容疑をほのめかす供述」と発表することになるというのだ。

容疑者の「自称」とは?

なお、ほのめかしに関連するが、逮捕のニュースで「自称・不動産業の〇〇は……」というように報じられることも少なくない。この「自称」にもどこか曖昧な印象があるが、それも警察なりの事情が関係しているのだそうだ。

容疑者が逮捕・起訴され、裁判所に舞台が移ると、検察官が「冒頭陳述」を読み上げる。そこには「身上・経歴」という項目があり、容疑者(起訴されたあとで裁判になると“被告”)の生まれ、育った地方、環境、家族構成、職歴などが明らかにされる。

そして警察ではそのことを想定して、住民票で住所を確認し、身上経歴に関する供述調書(身上経歴供述調書)に謄写・添付したり、会社員ならその会社から在籍証明書のようなものをもらったりする。自営業者ならば、登記簿謄本を添付するのが普通だ。

ただし逮捕した時点では、そういった手続きが間に合わないことが珍しくない。しかも、たとえばブローカーのように、仕事の実態がよくわからなかったりすることもある。また、ブラブラしているように見え、一攫千金的に大商いをすることがあったりする人物の場合は、無職なのか特定の職業があるのかの判断にも迷うかもしれない。

そうした場合、容疑者が取り調べで「自分は不動産業です」と言ったとしましょう。会社のホームページも存在しないし、登記簿謄本をとっても該当がないが、まったく事業形態がないわけでもなく、近所の人も「不動産をやっているらしいですよ」程度のことは言っている……。裏付けはまだ取れていないが、とりあえず本人がそう言っているから「自称・不動産業」としておくか、となるのです。(65〜66ページより)
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