試験本番「全科目でいい結果出す」は危険すぎる訳 緊張せずに実力発揮するためにはどうする?

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「10本全部入れようとした。だから負けた」

これはとても重要な視点です。試験本番では想定外のことが起こります。10本入れられるはずだと考えていると、足元をすくわれるのです。それよりも、「1〜2本はダメだろうな」と想像できる人のほうが、合格しやすいのです。

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例えば、大学入学共通テストであれば、国公立志望の場合、6教科8科目を2日間で受験することになります。かなり科目数が多いですよね。これだけ科目があると、思い通りにいく科目と、思い通りにいかない科目、両方あると思いませんか?

1科目くらいは、過去問と比べて難易度がぐんと上がる科目があるかもしれません。例年と比べると、傾向ががらりと変わる科目もあることでしょう。特に今年は共通テストが新課程になる年なので、内容が大きく変わる科目もあるのではないかと予想されています。

頑張った受験生ほど苦しんでしまう

恐ろしいのは、頑張って対策した受験生ほど、思い通りにいかずに苦しむ可能性が高いということです。過去問を1年分しかやっていない受験生よりも、センター試験の過去問も含めて30年分しっかり対策した受験生のほうが、「自分が解いてきた問題と違う!」と苦しむかもしれないのです。

でもそれは、「10本全部入れようとしている」から起こることです。

8科目も受験しているからこそ、1科目くらいは難しい科目があって、できない科目があるはずです。「だいたい6科目くらいはいつも通りの点数が取れればいいな。それで、2科目くらいダメでも、きっと大丈夫だろう」と考えていたほうが、成功率は上がるのです。

そう考えると、「全科目満点を取りたい」と考えている受験生ほど、危険です。いつも結果がうまくいって、満点近い成績を取っている受験生のほうが、本番で「やらかしてしまう」ことがあります。毎年、とても成績がよかったはずなのに本番でボロボロ、という人もいます。それはきっと、「全科目満点」という考えから抜け出せないせいだと思います。

満点は目指さないこと。8科目全部思い通りになると思わないこと。本番に強くなるためには、そういう気持ちで挑むことが重要だと言えます。

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西岡 壱誠 現役東大生・ドラゴン桜2編集担当

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にしおか いっせい / Issei Nishioka

1996年生まれ。偏差値35から東大を目指すも、現役・一浪と、2年連続で不合格。崖っぷちの状況で開発した「独学術」で偏差値70、東大模試で全国4位になり、東大合格を果たす。

そのノウハウを全国の学生や学校の教師たちに伝えるため、2020年に株式会社カルペ・ディエムを設立。全国の高校で高校生に思考法・勉強法を教えているほか、教師には指導法のコンサルティングを行っている。また、YouTubeチャンネル「スマホ学園」を運営、約1万人の登録者に勉強の楽しさを伝えている。

著書『東大読書』『東大作文』『東大思考』『東大独学』(いずれも東洋経済新報社)はシリーズ累計40万部のベストセラーになった。

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