徹底解説「米国が再びトランプを選んだ」深い理由 日本の繁栄を支えた国際秩序を変える「革命」だ

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——トランプ現象の背後にあるものとして、アメリカの分断が言われます。よくメディア上で見るのは左右の分断なんですけれども、実は上下の分断がかなりトランプ現象を招き寄せているのではないかと会田さんは分析されていますね。

これは皆さんにわかりやすくするためにそういうふうに申し上げているのですが、一種の階級闘争みたいなものが起きているわけですよね。まさにトランプは「原因ではなくて結果なんだ」と。

では何の結果なのかというと、アメリカで起きてしまっている、ある意味ですさまじいまでの格差、それによって下に置かれている人々の怒りや、それから何を訴えようが政治に反映されないというどうしようもなさが奥底にある。

今のアメリカは「まともな国ではない」

ジェフ・ベゾス(アマゾン創業者)、ビル・ゲイツ(マイクロソフト創業者)、ウォーレン・バフェット(バークシャー・ハサウェイ会長)の資産の合計は、アメリカの所得の下位50%の資産の合計よりも多い。これは私から言わせるとまともな国ではない。

アメリカはもともとそんな国ではなく、平等を求めてきたわけですよね。しかし行き着いた先は、階級社会どころか、封建社会のようなすさまじい形になっている。人々が怒り出さないわけがないわけで、そういう道を先進国全体が歩みつつある。

これはさまざまな指標が示していると思います。そういったものが生み出した一つの結果としてトランプ現象があり、左の側ではサンダース現象が起きているわけですよね。そうすると、何が右で何が左かよくわからなくなってきますね。

この2つのグループは議会の中で協力し合って、人々の平等性を達成するためのさまざまな法案を出したりしています。つぶさにそれを観察していくと、右左と俗に言われるこの2つのポピュリズム現象が、実は一緒になって旧来の体制と戦おうとしている、そういう形が見えてくるわけですね。

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