それにしても1ドル=150円で計算すると、年収750万円以下が「貧困層」にされてしまう昨今のアメリカ経済はちょっと恐ろしい。そこでCNNの過去のデータを振り返ってみると、以下のとおりとなる。
当たり前の話だが、ほんの10年くらい前には年収5万ドル以下の層は、全体の4割くらいを占めていた。そして民主党支持者が多かった。逆に10万ドル以上の層はせいぜい3割で、共和党支持者のほうが多かった。それが「普通」の感覚であろう。
共和党は「労働者の党」へ、民主党は「意識高い系」に
ところが2024年選挙ではこれが逆転している。「トランプ氏の下で、共和党は労働者の党に変貌しつつある」というのは、どうやら本当らしいのだ。逆に民主党は、気候変動問題やジェンダー、人種問題などを重視する「意識高い系」の支持者の政党になっていた。
しかるにそれでは、焦点となっていたラストベルトの白人ブルーカラー層の票を取れないのは当たり前だろう。彼らの関心事は、インフレや不法移民といった生活に密着した問題であり、「トランプの再来は民主主義の危機だ」と言われても話がかみ合わないのである。
11月6日のニューヨーク・タイムズ(NYT)紙は、社説で”America Makes a Perilous Choice”(危険な選択をしたアメリカ)と題し、第2期トランプ政権の誕生に対して警鐘を鳴らしている 。この中でNYT紙は民主党に対しても、次のような厳しい言葉を浴びせている。
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