進化する「ヒューマノイド」産業現場で労働開始へ テスラBMWなど大手が相次ぎ実用化に動く
ApptronikのApolloもまた、倉庫や工場で人が担ってきた作業の効率を高めることを目指して開発されている。ヒューマノイドとしては力持ちなほうで、約25kgまでの物品を持ち上げて運搬できる。バッテリーが交換可能になっているため、交換用に複数のバッテリーを用意しておけば、充電のためのダウンタイムをなくすことができる。
また、他の作業員などとの混在環境で安全に作業をこなすため、ぶつかりそうな範囲にいる人や動く物体を検出する能力に優れているのも特徴のひとつだ。
Apolloは、人への負担が高い反復作業だけでなく、あらゆる作業で安全性を保ちながら適応できるように開発が続けられている。
人間のような豊かな表情を実現
英のEngineered Artsが開発するAmecaは、人の仕事を代わりにこなすのではなく、人間とふれ合うロボットの実現を目指している。
特筆すべきはその豊かな表情だ。Amecaには先に紹介してきたような産業用ヒューマノイドとは異なり、顔がある。そして、唇に12個、顎に2個、眼に4個、まぶたに4個、眉毛に4個、鼻に1個を含む、合計32個のアクチュエーターを使った高度な表情機能により、人間のようにスムーズで本物のような感情をその顔で表現できる。さらにOpenAIのChatGPTを利用した会話機能も追加されている。
もちろん、ロボットに感情があるわけではないが、人とのインタラクションを考えれば、相手に顔がないよりは、にっこりと微笑みかけてくれるほうが親近感もあり、コミュニケーションも円滑になるはずだ。Amecaは現在、表情や視線などに重点を置いて開発が続けられている。腕などを備えたバージョンも以前は公開されていたが、いまは胸像のような状態だ。
なお、Engineered Artsは最近、女性顔のAmecaのパートナーとなる男性顔のAziを開発した、そしてこの2体を並べて、夫婦漫才的なやり取りをするようすを公開している。
ポーランドのスタートアップ・ロボティクス企業Clone Roboticsは先日、真っ白な姿がSFドラマ『ウエストワールド』に出てくる、ホストと呼ばれるロボットを彷彿するヒューマノイドTorsoを公開した。
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