進化する「ヒューマノイド」産業現場で労働開始へ テスラBMWなど大手が相次ぎ実用化に動く
先日公開された、新型Atlasの新たな動画では、自動車のエンジンカバーの部品を入荷用のコンテナから取り出しては、スリット状になった受け入れ用のコンパートメントに移し替える作業が紹介されている。この動画において、Atlasはすべて自律的に動作していると紹介されている。
製造業や物流現場で活躍
オレゴン州立大学からのスピンオフ・ベンチャー企業であるAgility Roboticsは、自動化が困難で人間の作業に頼らざるをえない製造業や物流の現場でのタスク実行を可能とすることを目指して、Digitと呼ばれるヒューマノイドを開発している。
Digitの特徴は、腰から上は人間と同じような形状をしつつ、両足の膝が逆関節、いわゆる鳥足になっているのが外見上の大きな特徴だ。逆関節を採用している理由のひとつは、荷物を運搬するために持ち上げる際、膝を後ろに曲げてしゃがむことで、より荷台に近づくことができ、安定的な姿勢で持ち上げられるためだ。さらに、荷物の上げ下ろしの際に重要になる重心の調整機能にも優れているという。
一方、周囲にある物体の表面を読み取るセンサーは、最も効率的な経路を見つけ、邪魔なものを回避するのに役立つ。この能力は、さまざまなサイズや重量の荷物を扱いつつ狭い場所を移動する必要がある物流の現場で特に役立つだろう。
Figureは早くからヒューマノイドの実用化を目指してきた。初代モデルのFigure 01は人間のような機能性を重視して開発され、段差のある場所での移動や壊れやすい物の取り扱いなど、従来のロボットが苦手とするタスクをこなせた。
開発元のFigure AIは、OpenAIやマイクロソフトとの提携により、ヒューマノイドに高度なAIやクラウド接続性を取り入れ、学習能力と新しいタスクへの適応能力をサポートしている。さらに非軍事用途でのロボット開発に明確なコミットメントを表明しており、その安全性、安心感で顧客企業からの信頼を得ている。
Figure 02は、6つの内蔵カメラによる高度な視覚システムや人と同じ5本指の手により、物体の位置などを正しく認識、最大25kgの荷物を取り扱える。バッテリー稼働時間はFigure 01に比べて1.5倍、OpenAIの技術による音声コミュニケーション能力を搭載し、物流や製造業界の現場での活用が見込まれている。2024年8月には、BMWグループがFigure 02を製造ラインに導入できるかを検討するテストを行った。
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