日本人の9割が足りていない風邪に勝つ栄養素 ビタミンCより重要度の高い栄養素があった
ではビタミンDは感染症に対してどんな働きがあるのでしょう。
私たちの体にはウイルスや細菌が入ってきたときの防御作用が備わっています。そのひとつが粘膜上にある「抗菌ペプチド」という物質。これはウイルスや菌が入ってきたときにやっつける働きをしています。ビタミンDはこの抗菌ペプチドを作りだす働きがあるのです。
またビタミンDは免疫細胞を活性化する作用があります。免疫細胞が元気になれば体の中に入ってしまったウイルスや細菌をやっつけることができます。
日本人のほとんどが不足しているビタミンD
ところがこれほど大事な栄養素であるビタミンDが、日本人のほとんどに不足しているというショッキングな報告があります。
東京慈恵会医科大学が2023年に発表した調査(The Journal of Nutrition 誌 Volume 153, Issue 4, p1253)によれば日本人の98%がビタミンD不足に該当しているそうです。他のさまざまなデータでも日本人のビタミンD不足が明らかになっています。
ビタミンDは食事から取れるほか、日光を浴びることによって体内で生成されます。ですから紫外線が弱まる秋から冬にかけてはどうしても不足がちになる=風邪・インフルエンザにかかりやすくなってしまうのです。
一昔前に比べ、日本人は日光に当たる時間が少なくなっています。特に女性は「シミ・シワになる」として紫外線を避ける傾向にあり、ビタミンDが不足しがちです。
ビタミンDが足りているかどうかは血液検査でわかるので、「風邪・インフルエンザにかかりやすい」と感じる人は一度調べてみるといいでしょう。
ではビタミンDはどうやったら補給できるのでしょうか。
まず食品では鮭や日光で干したシイタケやキクラゲなどに多く含まれます。野菜や穀物にはほとんど含まれていないので、その意味ではちょっと取りづらい栄養素といえます。
意識して紫外線を浴びることも大事です。服の上からではなく、素肌に直接浴びることが必要です。ただ、夏はいいのですが、冬はやはり足りません。
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