きみはペット --韓国の国家的経済戦略《宿輪純一のシネマ経済学》


 この「韓流」の映画やドラマの現在の隆盛は、もともとは、アジア通貨危機がきっかけだ。経済が破綻し、IMFの先導で経済改革を行うことになった韓国において、当時の金大中(キム・デジュン)大統領がこの分野を成長産業の1つとして育成したものである。コンテンツ産業の育成は、韓国の国家的経済戦略の一環なのだ。筆者も韓国映画のパンフレットで解説を書いているが、韓国映画の勢いは今後も続くだろう。



©小川彌生/講談社 ©production LUDENS/KJ-net

最近、国際金融危機の煽りを受けているものの、韓国経済は基本的に生きがいいように思える。芸能界の女性・男性スターもレベルアップが著しいと思うし、何より日本語がほぼ完璧なのに驚く(筆者は現在ですら、日本語に苦労しているのに)。レベルアップといえば工業製品もそうである。ヒュンダイ(現代)も、サムスンもそうだ。

特に08年に李明博(イ・ミョンバク)大統領になってからは、国家的な経済戦略がより強化された。「グローバル・コリア」として海外に国を開く政策を採用している。韓国は日本と比べ、国土は約4分の1、人口は約5000万人という国なので、グローバル化の必要性に日本よりも早く気がついたのかもしれない。FTA(自由貿易協定)の拡大はもちろん、産業は海外を目指している。

企業の誘致も積極的だ。FTAで製品は安く輸出できるし、為替も(平時は)介入によってやや安めにコントロールされているようであるし、ほかにも公的な優遇もあるようである。普通の経営者ならクラッと来るのではないか。

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