アップル、Mac刷新"メモリ倍増"が示す戦略的意志 「生成AI時代」に対応した製品ポートフォリオ

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メモ帳アプリでは音声の録音と自動文字起こしが行えるようになり、内容は自動で要約が生成されて効率的な情報整理が可能だ。本文中に計算式を入力すると自動で計算を行う機能も追加され、アラビア数字やデーバナーガリー文字(ヒンディー語)など、複数の数字体系にも対応している。

これらの機能は現在、アメリカ英語でのベータ版だが日本語でも、来年4月には提供される予定だ。

しかし、これらはまだ“始まり”でしかない。

MacにおけるApple Intelligenceの価値

ここで挙げている機能は、実際にベータ版で利用できるものだが、どのデバイスでも有益な共通した機能であることは確かだ。しかし、各デバイスの利用シーンを考えるならば、それぞれの実装方法やチューニングはまた別に行われると考えるほうがいいだろう。

iPhoneであれば、さまざまなMessengerアプリを経由して、あるいはメールとMessengerアプリが混在する形で、スケジュールの調整や突然の連絡といったものを受け取ることが考えられる。

iPhoneは急な連絡で最初に選ぶ可能性が高いデバイスなため、集まる情報は雑多なものになりやすく、多様な異なる経路での情報を集約して判別する必要が出てくる。例えば、メールで連絡をとっていた食事の約束をMessengerで変更するといったことはよくあるはずだ。それらを時系列に並べながら最新の情報を示すといった処理に、AIはとても向いている。

ただし、現時点で、そうしたデバイスごとの最適化が行われているわけではない。Apple Intelligenceは段階的にAI支援機能を提供していく予定で、Apple Intelligenceからベータの文字が取れ、基礎的な機能が定着したのちにデバイスごとの機能が磨かれることになるだろう。

今回のアップデートは、そうした将来を見据えてのMac製品全体の見直しが行われたものだ。推論エンジンの強化やCPUの機械学習処理能力向上、GPU処理能力の強化などはその一環だが、Apple IntelligenceはすべてのAppleシリコン搭載モデルが対応している。つまり、対応できないMacはAppleシリコン時代以降は存在しない。

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