「昔語り」より嫌われる上司の言動「ワースト1」 「2分ルール」で自分も部下も周囲も変わる!

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このような姿勢はプロフェッショナリズムを感じさせます。「いいか、これが最後の機会だ! わかっているのか!」と大声で指導されるより、冷静に「これが最後の機会です。同じ過ちを繰り返さないようにしてください」と言われたほうが、行動を変えたいと思うものですよね。

「声を荒らげるのは年に3回まで」など決める

また、パワハラをした人の多くは「相手の言動を正す必要があるから指導した」と言います。でも、正すのに大声を出したり不快な思いをさせたりする必要はありません。だったら、大声を出さない、と自分で決めてしまうのはいかがでしょう?

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たとえば私は、他人を指導する場合でも、大声を出すことはあまりありません。その理由は「声を荒らげるのは年に3回まで」と決めて、それを周りに言っているからです(コミットメントナッジ)。

腹が立ったとしても、「ここで3回のうちの1回を使ってしまうのはもったいない。年末まで残しておくか」と自分のためにセーブしておきます。結果として、全く声を荒らげない年もあります。

人間なので腹を立てることは多々あります。でも、怒りの感情を行動に移すかどうかの選択権は、自分が持っています。

私は他人から厳しい言葉を言われるのが嫌です。そのため、私も他人のミスに対して厳しい言葉を使いません。すると、相手も私のミスに優しい言葉で接してくれるようになりました(返報性ナッジ)。

このように、行動経済学のナッジ理論を使えば、再現性のあるルールをつくって、組織を変えていくことができるのです。

⽵林 正樹 ⻘森⼤学客員教授

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たけばやしまさき / Masaki Takebayashi

⻘森県出⾝。⽴教⼤学経済学部、アメリカのフェニックス大学大学院、⻘森県⽴保健⼤学⼤学院修了。MBA博⼠(健康科学)。⾏動経済学を⽤いて「頭ではわかっていても、健康⾏動ができない⼈を動かすには?」をテーマにした研究を⾏っている。ナッジで受診促進を紹介したTEDx トークはYouTubeで80 万回以上再⽣。著書に『⼼のゾウを動かす⽅法』(扶桑社)、共著に『介護のことになると親⼦はなぜすれ違うのか』(GAKKEN)などがある。

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