発達障害かもしれない人の信頼を失わない働き方 ADHD・自閉症併存の声優が22年間皆勤できた秘訣

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1回寝かせるだけで、2つのいいところが素晴らしい相乗効果を生み出すのです。あなたの仕事のクオリティはぐっと上がるでしょう。

やるべきことを細かく書き出す

あなたは、同時進行で物事を進めることは得意ですか? 発達障害を持つ私は苦手です。苦手すぎて、たくさんの業務を抱えると、何から手を付けたらいいのかわからなくなり、頭からプシューッと煙が出てきます。

そんな私が見つけた非常にシンプルで効果的な方法があります。それは、ノートに「やるべきことをすべて書き出す」というものです。試しに、今日、私がやるべきことを書き出してみましょう。

【ホームページを作ってくださった業者への振り込み】【娘のバレエの発表会代の振り込み】【今書いているこの原稿を書き上げる】【来年度の宣材プロフィールの確認】

「めっちゃ一杯やることあるわー」と思っていたのに、意外にそんなに多くないことに気づきました。さらに、近々に期限がやってくる、やらなければならないことを考えてみます。

こういうとき、100個くらい課題があるのではないか……という悲観的な気持ちになりませんか? でもとりあえず、書いてみます。

【講演会の内容を練る】【市役所に書類を提出する】【読み聞かせイベントの絵本選別】【娘のバレエの発表会に必要なものを揃える】【この本の原稿の最終締め切りを必ず守る】

意外と少ない。100個くらいあるのでは、と思っていたのに、5個しかありません。一気に考えようとするから頭から煙が出るのです。

発達障害・グレーゾーンかもしれない人の仕事術
『発達障害・グレーゾーンかもしれない人の仕事術』(かんき出版)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

次に、それぞれの課題の横に、期限を書いていきましょう。業務には、「取り組めば1日で終わること」と、「日々コツコツ積み上げていかなければならないこと」の2種類があります。

私の場合で言えば、原稿を締め切りまでに仕上げることは、日々少しずつ進めていかなければ期限までにできないことです。この、日々少しずつ進めていかなければならないことに関しては、毎日どれくらい進めればいいかを、逆算して書き出すのです。

このように物事を細分化していけば、意外といけそうな気がしてきませんか? もしあなたが頭から煙が出そうになったときには、この、すべて書き出す方法を試してみてくださいね。プシューッとならずにすみます。

中村 郁 ナレーター、声優

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なかむら・いく / Iku Nakamura

ナレーター、声優 。生後すぐ、家庭の事情で祖父母に育てられる。癇癪や、過剰に集中しすぎてしまう「過集中」、物忘れがひどく、ぐちゃぐちゃな毎日を送る。大学受験では過集中がプラスに働き、偏差値40を70まで上げて志望大学に合格するも、入学後は華やかな学生たちに馴染めず、人間関係も思考もぐちゃぐちゃに。そんなとき、ナレーターの道をすすめられる。ここで過集中がプラスに働き、人の声が聞こえないほど集中するので、まったくかまずに読めることなどが評価され、数々のオーディションに合格。プロとなって22年間、産休以外で一度も仕事を休んだことがない。

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