発達障害かもしれない人の信頼を失わない働き方 ADHD・自閉症併存の声優が22年間皆勤できた秘訣

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・スマホ ・スマホの充電器 ・財布 ・時計 ・ナレーションの原稿 ・家の鍵 ・ボールペン ・手帳 ・名刺入れ ・テレビ局の入館証 ・メイク直し道具

私が絶対に忘れてはいけないものはこれくらいです。

「あえて書き出さなくても、そんなもの忘れないんじゃないの」と思ったそこのあなた。油断は禁物です! 「私たちは忘れるのだ」ということを肝に銘じておいてください。

そして、日によっては、公共料金の振込用紙、郵便物、特別な提出物など、絶対に忘れてはいけないものが出てくるので、それを前日に必ず、ボードに書き加えてください。さらに、出かける前に1つ1つ必ず確認してください。原始的な方法ですが、私はこれでずいぶん忘れ物を防ぐことができるようになりました。

もう一度言います。発達障害の私たちは忘れます。必ず忘れるのです。

基本に立ち返り、確認を怠らないようにしましょう。ツキノワグマにならずにすみます。

常に自分を疑う

あなたは、自分の行動に自信がありますか? 私はまったく自信がありません。常に何かが抜けており、ミスだらけの人生を送ってきたので、自分のことが信頼できません。しかし、その「自分を信頼できない」と思う気持ちが、実はとても重要なのです。

私たち発達障害を持つ人に最も必要なこと、それは「常に自分を疑う」ということです。生活において、仕事において、トラブルが発生したとき。まず疑うべきは、「自分」です。トラブルが起きる8割の原因は、自分にあると心に刻んでおきましょう。

私がナレーションを担当している番組のスタッフさんの中にも、発達障害を持つ人がいます。その方が電話でトラブルに対処している様子を、隣で見ていました。

すると、最初に「こんな僕ですので、恐らく、いや、100%僕のミスだと思います! 申し訳ありません! このあと、確認します」と、平謝りしていました。

しかしその後、彼のミスではなく、先方のミスだったことがわかりました。「僕のミスじゃなかったです!」そのときの彼の安堵した笑顔が忘れられません。

まず、自分を疑う。そして、謝る。自分を知っているからこそ、ミスしやすい自分を認めているからこそ、できる行動です。自分を疑って真摯に謝った彼に対して、電話の向こう側の相手は好意すら覚えるでしょう。

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