和田秀樹「学歴ではない本当に頭がよい人の特徴」 日本人は頭のよさを固定的なものだと思っている

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もちろん、100個習い事をしても、全部芳しい結果に終わらなかったということもあるでしょう。けれど、なにも試さないでいるよりは、天才になる確率ははるかに上がるはずです。『101回目のプロポーズ』ではないですが、100個やってみて駄目だったら、101個目にまた挑戦すればよいのです。

自由な時間ができるということは、そのように、次々と新しいことに挑戦する余地があるということです。ですから本書で紹介する頭をよくするためのメソッドにも、臆せずどんどんトライして、ご自分に合うものを探してみてください。

聡明な人は、長いスパンで物事を見る

60歳以上の方の強みは、なんといっても、豊かな経験知(経験したことによって培われた知識)を持っているということです。60年以上も生きていれば、これまでに多くのことを経験し、学びを得てきたことでしょう。何かについて語りたいとき、自分自身の経験と照らし合わせたり、あるいは織り交ぜたりしながら話ができるというのは、シニア世代の方の武器であると言えます。そこには強い説得力が生まれます。

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長く生きてきたからこそ浮かぶ発想があり、言える言葉があります。そのことに自信を持ってください。

年齢を重ねた方の頭のよさというのは、「連続性」にあると思います。これまでの豊かな経験を生かして、今起きている出来事と結び付けて考えることができる。要は、長い流れの中で物事を見つめることができるということです。

これは英語学者で哲学者の渡部昇一さんに聞いた話なのですが、かつて円高で不況になり、日本中がその状況を悲観していたとき、昭和天皇は「円が高くて何が悪いのか」と仰ったと言います。

昭和天皇は、戦前、1ドルが2円だった時代を知っておられたわけです。だからこそ、円の価値が高くなったということは国力が強まったことにほかならないということを理解されていたのです。そのような発想は、長い歴史の中で生きておられたからこそ思い浮かぶものだと思います。

長く生きるほど、長いスパンで物事を見ることができるようになります。

目の前の出来事に翻弄され、一喜一憂するのではなく、もっと広い視点で物事と向き合うことができる。その姿勢はそのまま、人としての成熟さや賢さに結び付くでしょう。

和田 秀樹 精神科医

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わだ ひでき / Hideki Wada

1960年、大阪府生まれ。東京大学医学部卒業。精神科医。東京大学医学部附属病院精神神経科助手、米国カール・メニンガー精神医学校国際フェロー、浴風会病院精神科医師を経て、現在は和田秀樹こころと体のクリニック院長。高齢者専門の精神科医として、30年以上にわたって高齢者医療の現場に携わる。『70歳が老化の分かれ道』(詩想社新書)、『80歳の壁』(幻冬舎新書)、『60歳からはやりたい放題』(扶桑社新書)、『老いたら好きに生きる』(毎日新聞出版)など著書多数。

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