わずか1週間で閉店「りゅう社長」"撤退劇"の真相 「話題作り?」との声もあったが実際は全然違った

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そんなりゅう社長が今年8月、東京・浅草に新店舗「とびっこ東京」をオープンした。突然の新ブランド発表に驚き、ラーメン業界内でも話題沸騰。筆者も早速取材にと思っていたのもつかの間、オープンから1週間で突然の閉店が発表された。

そしてそこから1カ月、今度は神奈川・鎌倉で「とびっこ東京」が復活した。全く訳のわからない出店攻勢にネット上は騒然となっている。いったい何があったのか、りゅう社長を早速取材した。

“半テイクアウト”スタイルの店舗を考案

りゅう社長は今年の1月から6月までは話題作りに集中し、ネット上での活動に専念していた。その後、7月から12月の間に新店舗を出すことを決めており、1店舗ないしは2店舗の出店を計画していた。

新店舗の物件を探していく中で、いい立地だと当然賃料が高くなかなか条件に合ってこない。さらには、探していた20坪レベルの物件がなかなか出てこない中で、5坪レベルの小さな物件はたくさん出てきていた。ここで思い出したのが去年初めて出場したラーメンイベント「大つけ麺博」での経験だった。

昨年の「大つけ麺博」で初めてラーメンイベントに出店(筆者撮影)

ブースでラーメンを作って渡し、お客さんが好きな席で食べるというスタイルを「大つけ麺博」ではじめて体験し、この“半テイクアウト”的なスタイルが面白いと考え、いつかのビジネスのヒントにしたいと考えていた。

「小さな物件でもお店ができるようにしておけば、今後の出店スピードが速められるだろうと考えました。5坪でもスタンディングやテイクアウトのお店であれば出店は可能です。ここで、『大つけ麺博』を街ナカでやってしまおうというアイディアが思い浮かびました」(りゅう社長)

りゅう社長は「大つけ麺博」級の集客力のある街はどこか考えた。こうして辿り着いたのが“観光地”だった。ここから観光地に絞って物件を探すことを決意する。

観光地でテイクアウトしてもらうということは、ラーメンを店頭で渡して、お客さんに食べ歩きをしてもらえればベストである。しかし、このスタイルを「鈴の木」で出している油そばでやろうとすると難しさがあった。提供までの時間がかかりすぎるのである。提供スピードを上げるためには茹で時間の短い細麺で作り上げる必要があった。

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