最近、自分のYouTubeチャンネルにアップするために昔自分が話していたエピソードを見る機会が増えたんですけど、そこでも本当にいろいろと感じます。
「こんなに勢いがあったんや」とか「この目線を持ってたんや」とかそういう驚きもあるんですけど……、これも正直な話、今のほうが面白いと思います。
昔の自分の笑いと何が違う?
若さゆえの切り口とか勢いはあるんです。ただ、細かいところで言うと、女性に対して「おばはん」とかいう言葉を使っている。とがった言葉が随所に入ってるんです。そのほうが勢いはつくのかもしれませんけど、やっぱりその言い方は引っ掛かるんですよね。「おばさん」とか「奥様」のほうが邪魔をしない。
それは本当にたくさんある中の一例ですけど、そういうものが端々に見えるということは、今のほうが目がよくなってるんだろうなと。
そして、今と同じように積み重ねをしていけたなら、10年後、64歳の時のほうが面白くなっている。それも思います。また、そういられるような職人でいないといけない。
30代の自分とお笑いで戦ったらですか? そうですね、時間にもよりますけど、1時間の勝負なら、絶対に今の自分が勝ちますね。瞬発的な一発のパンチ力とかなら30代のほうがあるのかもしれませんけど、総合的に戦ったら負けない。試合運びでいうと、ゆっくり、ゆっくりいくけれども、どこかで捕まえたら離さない。そんな勝ち方になるのかもしれませんね。
地味な人間で、地味な生活をしてきたから、自分が好きなおしゃべりと向き合うことができたのかもしれませんし、それが今の自分に結び付いているならラッキーだなとホンマに思います(笑)。まだまだ、まだまだ足りてませんけど。
とはいえ、人間ですから、いつか本当に終わりが来ます。ただ、吉本興業にはレジェンドの大先輩がたくさんいらっしゃいます。その方々のエネルギッシュな生きざまが背中を押してくださることもあって、どうやって最期の日を迎えるのか。具体的なイメージはまだ今の自分には湧いていない。それが本当のところではあります。基本、漫才師なので、相方から「兵ちゃん、行くで」と言われたら、舞台に出ることになるでしょうしね。
ただ、いつか必ず来るその日が、いつやってきたとしても「もう、十分やったな」と思える自分ではいたい。それは考えています。
1970年7月24日生まれ。大阪府出身。NSC大阪校9期生。1990年、矢野勝也と漫才コンビ「矢野・兵動」を結成。同期は宮川大輔、星田英利、「ナインティナイン」ら。「人志松本のすべらない話」には2007年のスピンオフ企画「大輔宮川のすべらない話」から出演し、計4回MVSを獲得。コンビとしても上方漫才大賞など受賞多数。関西テレビ「モモコのOH!ソレ!み~よ!」「newsランナー」、ABCラジオ「兵動大樹のほわ〜っとエエ感じ。」などに出演中。1人しゃべりイベント「兵動大樹のおしゃべり大好き。」をライフワーク的に展開中。今後の公演日程は岡山公演(11月2日、おかやま未来ホール)、宮城公演(電力ホール、11月16日)、広島公演(11月23日、JMSアステールプラザ大ホール)、愛知公演(11月24日、御園座)、香川公演(12月1日、レクザムホール小ホール)、東京公演(12月4日、ニッショーホール)、兵庫公演(12月8日、兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール)。
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