"数学嫌いの子"も納得する「数学勉強する意義」 学生時代に学んだことはどんな意義があるのか

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例えば、次の2つのグラフをご覧ください。

仮に、とある塾のパンフレットに、この2つのグラフが載っていたとします。そして、「このように、われわれの塾のほうがA塾よりも結果が出る人が多いです。ぜひ、うちに入会しませんか?」と書いてあったとしましょう。このとき、みなさんはこの塾が本当にA塾よりもいい結果を出していると思うでしょうか。

※外部配信先ではグラフを全部閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください

 

西岡壱誠 東大 数学
(図:東大カルペ・ディエム作成)

パッと見れば、この塾のほうが結果を出しているように感じられます。しかし、このグラフに対して、きちんと数学を勉強している人であれば、「ここはおかしい」と指摘できるポイントがいくつか存在することを見抜くことができます。

グラフのさまざまな「ヘンなポイント」

みなさんはどこが間違っているか、わかりますか?

まず、A塾のグラフが、恣意的に結果が悪くなるように書かれています。

A塾の結果は、「すごく成績が上がった」が22%で「まあまあ成績が上がった」が29%です。これを足すと、「22+29=51」で合計51%になります。

それなのに、A塾のグラフを見ると、過半数を超えていませんよね。半分より少ないように見えることがわかります。つまりこのことから、わざとA塾の結果を悪く見せていることがわかるのです。

そう考えてみると、A塾のグラフの合計もなんだかおかしいことになっています。「22%」「29%」「30%」「25%」なので、全部足したら106%になってしまいます。よく観察しないとわかりませんが、気づいてしまえば強烈な違和感を感じると思います。

そしてもう1つ、「ここはおかしい」と言えるポイントがあります。それは、2つの塾で抽出するデータの元が違うということです。

まず、この塾のデータは中学1〜3年生までの671人のデータを引用しています。それに対してA塾のデータは、中学2年生のみ、69人のデータを引用しています。この時点で、比較するポイントが若干違うことがわかると思います。中学1〜3年生のデータと、中学2年生だけを比較しているわけです。

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