10.27総選挙後、日経平均が上昇するとは限らない 上値余地は限られ、下落リスクも消えていない
こうした中、日本株の先行きを考えるうえでは、やはり日米企業業績の見通しを見極めたい。日本では10月下旬以降に本格化する企業の第2四半期(7~9月期)実績での悪影響は軽微とみる。だが、第3四半期(10~12月期)の会社予想やアナリスト予想は為替の前提が円高になると輸出関連企業の業績下方修正リスクの可能性が高まる。やはり内需・輸入関連企業は相対的に優位になるとの見方は継続する。
また日本株を左右するナスダック総合指数や、AIや半導体関連株など影響力が大きい構成銘柄の決算発表にも注目が集まる。米国株はすでにPER(株価収益率)などでみたバリュエーション(企業価値評価)が高い。市場の高い収益予想を上回る実績・来期予想を出せるかどうかに注目している。
さらに、11月5日のアメリカの大統領選挙結果にも影響を受けそうだ。同国の激戦州では接戦が続くなど、民主党のカマラ・ハリス、共和党のドナルド・トランプのどちらの候補が当選するか、まだ決め打ちはできない。引き続き、投資家としては、どちらが勝ってもいいような投資戦略を立て、柔軟に対応したい。なぜなら、物色対象(業種や個別銘柄)が大きく変わる可能性があるからだ。
中東情勢リスク悪化なら日本株にも悪影響が及ぶ
最後に、ウクライナ情勢や、イスラエルとイラン(イスラム組織のハマスやヒズボラを含む)間の深刻な対立には引き続き警戒したい。
10月14日、アメリカのワシントン・ポストは、イスラエルがイランの軍事施設に対する攻撃を計画していると報じたが、17日にはイスラエルがハマスの最高指導者であるヤヒヤ・シンワール氏を殺害したと発表した。10月1日にイランがイスラエルへの大規模な弾道ミサイル攻撃を実施したことへの報復だが、イスラエルの攻撃対象には、イランの核施設や石油施設が浮上していた。
アメリカのジョー・バイデン大統領はイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相に核施設攻撃を支持しない考えを表明したが、石油施設に関しては「協議中」と語ったため、原油相場が一時急騰した。今後、もしイスラエルが石油施設攻撃に踏み切れば、供給への懸念から原油価格が上昇し、11月5日のアメリカ大統領選挙に影響を及ぼすのは必至だからだ。
もし、イスラエルがイランの石油施設を攻撃することにより、ホルムズ海峡が封鎖されるようなことにでもなると、原油価格が高騰して、日本経済や日本株は大打撃を受ける。やはり中東情勢は今後も警戒を怠ることができない。
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