10.27総選挙後、日経平均が上昇するとは限らない 上値余地は限られ、下落リスクも消えていない

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逆に、パフォーマンスが悪い年順に列挙すると、1990年の-21%(第2次海部内閣)、1996年の-10%(第2次橋本内閣)、2009年の-7%(民主党の鳩山内閣)と、短命政権ほど株価が下落している。

例外は、2021年の-3%(与党勝利の第2次岸田内閣)だ。その後、岸田政権は2022年5月5日に「インベストイン岸田」をスローガンに英国のロンドンで基調講演を行い、「資本主義4.0」による日本経済の変革と成長を売り込んだだけでなく、新NISA(少額投資非課税制度)導入や東京証券取引所の改革などもあり、3年で36%株価は上昇した。

短期波乱懸念も、与党過半数確保なら株価上昇の期待

今回の総選挙では、与党である自民、公明の両党は解散時勢力で計288議席(自民党単独で256議席)だったことから、まずは過半数にあたる233議席を確保するのが目標だ。

現在、自民党にとって派閥を巡る政治資金問題はかなりの逆風となっている。短期的には、「マーケットの制空権を握る」海外投資家は、たとえ与党が過半数を維持しても、議席を一定数以上減らすとネガティブに反応する可能性があるとみておくべきだ。

それでも、与党が過半数を維持して、成長戦略や改革など諸政策が支持されれば、長期政権(3年以上)の可能性も高まり、株価は上昇する可能性が高い。

石破首相は所信表明演説や総選挙で「5つの守る(ルール、日本、国民、地方、若者・女性の機会)を掲げ、「日米地位協定改定」「アジア版NATO創設」「選択的夫婦別姓」「金融所得課税強化」などの政策アピールは封印した形だが、今後はどうなるのか。当然、株価の動向にも影響を与えることから注目したい。

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