もちろんビジネスモデルをコピーしたとしても、取り扱う商品・サービスが異なれば、商品・サービスで違いを打ち出せる可能性はあります。
しかしながらコモディティ的なものではこの余地は非常に少ないのです。
その場合やはり「資源量」が勝敗の決め手となる点を、経営はよくよく留意すべきでしょう。
デジタルでは「違い」は打ち出しにくい
ビジネスモデルをコピーしたときに、よくみかける失敗が「デジタルで違いを出そうとする」というものです。
ソフトウェアやハードウェアを商品・サービスとする事業のときには、デジタル技術そのものが商品・サービスとなりますから、デジタルで違いを打ち出すことは必須です。
しかしながら、これ以外の事業においてはデジタルそのもので違いを打ち出すことはかなり難しいと認識しておくべきでしょう。
ちなみに「打ち出すべき違い」を思いつくままにあげますと、商品やサービスそのものの性能や希少性、品ぞろえの豊富さ、商品・企業の情報入手のしやすさ、店舗の立地の便利さ、配送や返品の利便性、価格のリーズナブルさ、カスタマー・サービスの良さ、広告宣伝の露出量や適切さ、UX(ユーザー体験)の良さ、競合への切り替えにくさ、といったものになります。
これらの「違い」を支えるものとしては業務プロセス・組織・ヒトなどが一般的なものですが、実はデジタルもこれらと同様、「違いを支えるもの」に過ぎません。
なかには、優秀な販売員や、精度が高く安い配送(プロセス)といった支えるものが、直接「違い」を生み出すこともあります。当然デジタルも同様に違いを生み出すことができる可能性はあります。
ただ、問題はそれが顧客に利するものあるかどうかです。
たとえば「先進的なAIを使って店舗の立地選定を実現」と宣伝されても、顧客にとっては、「立地そのものが大事なわけで、AIを使うとかそういうことはどうでもいい」となるでしょう。
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