中国のデジカメユーザー、粉飾オリンパスには反応薄、洪水品薄で高騰のニコンを敬遠

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 中国では、「不足」のニュースに反応して、供給不足となったモノが一時的に日本以上に高騰する傾向がある。ニコンのデジタル一眼レフカメラも例に漏れず洪水前より200~500元ほど値上がりした。中国人消費者は価格に厳しいため、割高なニコンをあきらめ、他社製品を検討する人が増えたようだ。

ニコンに関しては、ニュース記事の数もさることながら「いつになったら生産態勢が復旧するのか?」「故障しても直せるのか?」「値段が高騰して買いづらい」と、動向を気にする根強いニコンファンの声が多く上がっている。



ニコンやソニーのタイ工場の浸水を報じる中国メディア


 「中関村在線」による最新のデジカメのメーカー別注目度は、コンパクトデジカメでは「キヤノン(31.0%)」「ソニー(18.1%)」「ニコン(12.4%)」「富士フィルム(9.8%)」「松下(6.9%)」「サムスン(6.9%)」「カシオ(4.0%)」「オリンパス(3.2%)」「ライカ(2.8%)」「リコー(0.9%)」。
 
 デジタル一眼レフカメラでは「キヤノン(51.8%)」「ニコン(34.1%)」「ソニー(6.2%)」「ペンタックス(5.3%)」となっている。
 
 もちろんこの数字からわかるようにニコンのほうが利用者が多く、心配する声が大きいということはある。しかしオリンパスユーザーもそれなりにいるわけで、数が少ないから声が出なかったということではない。中国ネットユーザーの過去の行動を見るかぎり、ユーザーであろうとなかろうと不満がある企業はたたく傾向にあった。

偶然にも同じ時期に発生した未曾有の粉飾決算と自然災害。中国の消費者は、粉飾決算ではなく自然災害をきっかけに、ブランドを鞍替えする人が多いようだ。

山谷 剛史 やまや・たけし
中国内陸部在住のIT専門ライター、中国のIT事情を中心に取材・執筆。著書に『新しい中国人 ネットで団結する若者たち』(ソフトバンク新書)

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