中国のデジカメユーザー、粉飾オリンパスには反応薄、洪水品薄で高騰のニコンを敬遠
だが杞憂だったというべきか。多くのメディアで取り上げ始めた10月から2カ月経過した現在も、中国メディアの翻訳しまとめた記事に対し、ネットユーザーからの反応は意外なほど薄い。あるのは「日本企業だって米国企業だって粉飾決算はあるじゃないか」という、中国的ビジネスの常識と先進国コンプレックスが見え隠れするコメント程度である。
地方政府や中央政府、あるいは米国で上場する中国企業でいずれも粉飾決算疑惑があるため、中国人の常識からいえば驚きに値しないということだろう。
オリンパスのショップはいつもどおり
中国のメディア「証券日報」は、「日本での粉飾決算の報道で、中国での製品販売への影響は見えない。経営面の問題であって、製品のクオリティやアフターサポートに問題があるわけでなく、また影響を与えるものでもなく、消費者との対立関係を形成するものではない」と報じた。
また毎月、デジタル製品の注目度を紹介するIT系メディア「中関村在線」においても、メーカー別でのオリンパス製品の注目度は9月、10月、11月と見ても誤差程度の変化しかない。
中国のインターネットユーザー構成の特徴として、富裕層の中でも財産を持っている人ほどインターネット利用率が低いという傾向があり、ニュースでこそ株価下落の報道はあれ、オリンパス株所有で嘆く声はネットには上がらない。
一方で、この1~2カ月の中国デジカメ市場において、オリンパスよりも注目度シェアで大きな変化があったのはニコンである。タイの大洪水でニコンの工場に被害があると聞くや、別のメーカーに移ろうとする消費者が多数出てきたようなのだ。