ソフトバンク系「PayPayアセット」突然の"幕引き" 運用会社が事業を終了すると、投信はこうなる

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こと近年においては、信託報酬率の引き下げ競争が激しく、かつてのように運用会社が年1.5%もの信託報酬を取ることはできない。インデックスファンドの信託報酬に至っては、年0.1%を切るものが大半で、アクティブファンドですら年1%未満なのだ。

例えば、運用会社が得る信託報酬率が年0.5%で、運用資産が50億円だとすると、年間の売上高はわずか2500万円。従業員数にもよるものの、オフィスの賃借料や各種システムにかかる費用などを考慮すると、完全な赤字だろう。

このような運用会社が設定・運用するファンドを買ってはいけない。長期投資をするつもりで買ったとしても、赤字続きの運用会社は、経営の持続性に難があるし、そもそも黒字化できないような運用会社が、投資先企業を選別して投資するなど”噴飯もの”だ。

運用会社の財務情報も忘れずに見よ

実際、個人向けに投資信託を設定・運用している運用会社は、自社のホームページで財務情報を開示している。「正会員の財務状況等に関する届出書」がそれだ。また運用会社の純資産総額に関しては、「投信資料館」というサイトが定期的に公表している。投資信託を保有している人は一度、チェックしておくとよい。

今はまさに総選挙の真っ最中だが、石破茂新政権は前政権からの「資産運用立国」の方針を引き継いだ。新内閣発足の矢先、資産運用会社が事業終了を決めるとなると、政府方針の達成もいささか危うくなってくる。

鈴木 雅光 JOYnt 代表、金融ジャーナリスト

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すずき・まさみつ / Masamitsu Suzuki

1989年岡三証券入社後、公社債新聞社に転じ、投信業界を中心に取材。2004年独立。出版プロデュースやコンテンツ制作に関わる。著書に『投資信託の不都合な真実』、『「金利」がわかると経済の動きが読めてくる!』等。

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大野 和幸 東洋経済 記者

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おおの かずゆき / Kazuyuki Ohno

ITや金融、自動車、エネルギーなどの業界を担当し、関連記事を執筆。資産運用や相続、年金、介護など高齢化社会に関するテーマでも、広く編集を手掛ける。大野和幸(X)

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