日本で一番買われているお化けファンドの「正体」 新NISAを前に、0.1%切る壮絶な価格戦争を主導

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三菱UFJアセット 常務 代田秀雄氏
講演から取材対応、タレントとの対談まで、代田常務の役割は幅広い(撮影:今井康一)
2024年1月4日からいよいよ「新NISA(少額投資非課税制度)」が始まる。株や投資信託で儲かって利益をあげても、1人生涯1800万円までなら無税という、大盤振る舞いの新制度だ。
週刊東洋経済10月21日号では『新NISA革命』を特集。新NISAの仕組み、ネット証券の選び方、6000本ある投信からプロが薦める7本など、資産運用の現場で何が起きているかを追った。本記事は日本で一番売れている投信の実情である。
週刊東洋経済 2023年10/21号(新NISA革命)[雑誌]
週刊東洋経済 2023年10月21日号は「新NISA革命」を特集。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします。バックナンバー常備店はこちら

2024年の新NISAスタートを控え、資産運用会社のつばぜり合いが激しくなっている。主力のインデックスファンドは0.1%未満のコスト競争でまさしく体力勝負の消耗戦だ。

先陣を切りトップを独走しているのが、三菱UFJアセットマネジメント(旧三菱UFJ国際投信)が運用する、「eMAXIS Slim」シリーズである。

2017年2月の設定以来、純資産総額は2021年に1兆円を超え、2023年7月には早くもシリーズで5兆円を突破。驚くほどの急角度で右肩上がりだ。中でも、「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」は2.5兆円を超える大黒柱で、米国の経済成長の恩恵をまともに受けたといえる。国内のインデックスファンドとして初の純資産総額トップに輝いた。

投資家からの愛称は「オルカン」

最大の要因はコストの低さ。何しろこのシリーズは「業界最低水準の運用コストを将来にわたって目指し続ける」というコンセプトを掲げている。実際、「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」の信託報酬率は年0.05775%(税込み)。しかも純資産総額が大きくなるほど、信託報酬率が段階的に低くなる構造であるため、実質信託報酬率は年0.05764%(税込み/2023年10月19日時点の純資産総額を基に算出)と業界では最も安い。

今や投資家には“オルカン”の愛称で知られており、すでに商標も登録しているほどだ。

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