ノンスタ石田が考える「面白い漫才」の"絶対条件" 笑い飯、ヨネダ2000に共通する「ベタ」のセンス

✎ 1 ✎ 2 ✎ 3
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

共闘型だと、どうしても「ツッコミを見せるためにボケさせる」という方向に行ってしまい、「ボケが弱い」「ボケ自体が面白くない」というネタになりがちです。

実際に、僕が教えているNSC生、特にツッコミ側がネタを書いている子たちには、「ツッコミのためのネタにならへんように」とアドバイスすることが多いです。

いきなりわかりづらいボケを入れて、ツッコミに説明させる。もちろん、それでドカンとウケればいいんですが、「爆発」といえるほどウケないケースをよく見かけます。

ボケ単体でお客さんが笑えず、ツッコミを待つようになってしまい、笑いのポイントが半減してしまっているわけです。僕からすると、もっとベタをうまく利用したらいいのになと思ってしまいます。

ベタなボケとツッコミで笑いを

『答え合わせ』書影
『答え合わせ』(マガジンハウス)書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

変に小難しいことをせずに、ベタなボケとツッコミで笑いを積み上げて、ポイントポイントで少しわかりづらいボケと説明ツッコミを入れたら、もっとウケるでしょう。

このやり方なら賞レースでももっと評価されるはずです。

思えば、かつての銀シャリも、それに近いものがありました。ツッコミの橋本(直)の突破力が強いから、ボケがツッコミの単なる前振り、いわば「ツッコミが面白いことを言うためだけのティーバッティング」みたいになりがちやったんです。

でも銀シャリは、どこかのタイミングで、ボケの鰻(和弘)の面白さとか橋本に噛みつく感じを、もっと出したほうがウケるって気づいたんやと思います。2016年にM-1チャンピオンになれたのは、その気づきの結果でしょう。

石田 明 お笑いコンビ「NON STYLE」のボケ、ネタ作り担当

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

いしだ あきら / Akira Ishida

1980年2月20日生まれ。大阪府大阪市出身。中学時代に出会った井上裕介と2000年5月にコンビ結成。2006年「第35回上方お笑い大賞」最優秀新人賞受賞、「第21回NHK新人演芸大賞」演芸部門大賞受賞、2007年、NHK「爆笑オンエアバトル」9代目チャンピオン、2008年「M-1グランプリ2008」優勝など、数々のタイトルを獲得。「M-1グランプリ2015」では決勝の審査員を、「M-1グランプリ2023」では敗者復活戦の審査員を務めた。2021年からNSC(吉本総合芸能学院)の講師を務め、年間1200人以上に授業を行っている。ゲストの芸人とともにお酒を飲みながら漫才論や芸人論などを語るYouTubeチャンネル「NON STYLE石田明のよい~んチャンネル」も人気。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事