ノンスタ石田が考える「面白い漫才」の"絶対条件" 笑い飯、ヨネダ2000に共通する「ベタ」のセンス

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これが漫才のクイズ番組理論。しばらくわかりやすいボケとツッコミを続けたうえで、一瞬「ん?(わからない)」と緊張させてから、「ああ(納得)」と緩和させるという意味では、「緊張と緩和」の展開と呼んでもいいかもしれません。

笑い飯はこれも天才的にうまい。「最終的な笑いの爆発」への持って行き方が芸術的やなと思います。

音楽に音階があるように、お笑いにも「ベタの段階」みたいなものがあります。笑い飯は「ドレミファソラシド」と順番に音階を上げていくような感じで、レベル1から始めて、レベル2、レベル3……レベル8と、ボケのレベルを順繰りに上げていっているように見える。

最初にレベル8のボケをやったら、多くのお客さんはキョトンとするだけでしょう。でも笑い飯の場合は、すでにお客さんがレベル1、レベル2と徐々に“調教”されているから、最後、レベル8に到達したときに、面白さが最高潮に達する。その瞬間、お客さんの間で一種の達成感が生まれて、バコーンとウケるんです。

笑い飯の爆発力の秘密は、そこでしょう。

ベタを利用しつつ、尖った笑いを入れる

いくらベタが最強といっても、ずっとベタだと飽きられてしまいます。「飽きる」は「つまらない」と同義ですから、ベタを打ち続けるのは、得策ではありません。

ベタというものを熟知していて、ベタを利用しつつ、ちょうどいい加減で自分たちの尖った笑いを入れていく。これが絶妙にうまい漫才師がウケている。今はそういう流れになっていると思います。

逆にもったいないなと思うのは、ボケは半ばどうでもよくて、ツッコミの面白さばかりが期待されてしまうタイプの漫才師です。ボケの種明かしをする「共闘型」に多いですね。

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