週休3日のスーパーが最高利益を更新し続ける訳 「長時間営業」は不安からの逃げでしかない

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長時間労働について、先ほどのエスマート・鈴木さんはこうも言います。

「以前、仕事がつまらなかったころを振り返ると、そんな自分を正当化するために、年中無休で働いていた。そうすることでこんなに頑張っているんだから、と自分を正当化していたようにも思います」

恐ろしいのは、「共依存」の関係に気づけないこと

そう、人は仕事が楽しくて長時間労働をすることもあれば、仕事がつまらなくて長時間労働をすることもあるのです。

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よく言われる「共依存」というものがあります。特定の人物同士が依存し合っている状態を指す言葉で、たとえば、相手の収入に依存して働こうとしないパートナーに対して「自分がしっかりしなくてはダメだ」と思い込み、周囲のアドバイスも聞かずに関係を解消しようとしない例などがよく、共依存の例として挙げられます。依存されているほうも、「自分は依存されている」ということに依存している、ということです。

「売上の不安から長時間労働をしている人」というのは、仕事に依存している、あるいは「一生懸命働いている自分に依存している」という意味で、共依存の関係なのかもしれません。

だとしたら、本当に恐ろしいのは、その状態にいることになかなか気がつけないこと。しかし希望は今、自分はそうかもしれないと一度気づけば、そして、その必要はないことに気づきさえすれば、鈴木さんや林さんがそうだったように、目の前には「別の世界」が広がっていることにもまた、気づけることです。

小阪 裕司 オラクルひと・しくみ研究所 代表/博士(情報学)

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こさか ゆうじ / Yuji Kosaka

山口大学人文学部卒業。1992年「オラクルひと・しくみ研究所」を設立。人の「感性」と「行動」を軸としたビジネス理論と実践手法を研究・開発し、2000年からその実践企業の会「ワクワク系マーケティング実践会」を主宰。現在全都道府県から約1500社が参加。2011年工学院大学大学院博士後期課程修了、博士(情報学)取得。著書は『価値創造の思考法』など計39冊。 公式サイト https://kosakayuji.com/

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