自社営業部長と取引先役員が「経費水増し」した結果 大口顧客からの理不尽要求で”奴隷”にされかけ、憔悴しきった社長の決断は?

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
ビジネスシーン
大口顧客の存在は、会社に危機をもたらしかねない「リスク」となります(写真:mits/PIXTA)
安定した経営のために大口顧客の開拓を目指す中小企業は多いかもしれません。ですが、経営者の大坂靖彦氏は「大口顧客の存在は、会社に危機をもたらしかねない“リスク”となり得ます」と言います。『中小企業のやってはいけない危険な経営』から一部抜粋・再構成のうえ、取引先に対するベストな「依存率」について解説します。

大口顧客は実は大きなリスクになる

これは主にBtoB事業を行う企業が対象となるテーマです。

「大企業が大口顧客となってくれているから、うちは安泰」

「小口の取引先ばかりだと不安定だから、大口で取引してくれる顧客を開拓しなければ」

多くの中小企業経営者は、このように考えます。営業マンに、もっと大口顧客を開拓しろとはっぱをかけたことのある社長も少なくないでしょう。しかし、大口顧客がいるから安泰というのは、単なる「錯覚」です。実際には、大口顧客の存在は、2つの点で会社に危機をもたらしかねない「リスク」となります。

1点目は、取引の、ひいては経営の主導権を大口顧客に握られてしまうリスクです。

そして2点目は、現状維持志向が強くなることで、組織が弱体化していくリスクです。

ここでは、1点目のリスクについての事例を紹介します。 

私が開いている経営塾の塾生に、東海地方で樹脂製品の成形や加工を行っている会社の社長がいます。

以前、その会社は地場の中小~中堅企業を取引先にしていました。ところが、あるきっかけで上場メーカーの1次下請けをしている売上高500億円超の大企業X社から受注を得ることができました。

次ページはこちら
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事