週休3日のスーパーが最高利益を更新し続ける訳 「長時間営業」は不安からの逃げでしかない

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そんなことは、鈴木さんもわかっていたことでしょう。しかし、自店は50坪弱のミニスーパー。少し車を走らせれば、10倍以上の規模のスーパーがたくさんあります。品揃えでは比較になりません。そこに負けないためにはせめて店は開けないと、と年中無休。朝は7時30分に開けて、閉店は20時。休みもない毎日でした。

営業時間を減らしたら、売上が上がった!

しかし鈴木さんは、その後「別の世界」の存在に気がつきました。競合や売上を見るのではなく、「顧客の数」を見るビジネスの世界です。そして、やり方を180度変えたのです。

そのやり方でビジネスを営み、しばらく経ったころ、鈴木さんは店休日と営業時間の問題に着手しました。まず、朝7時30分からだった営業時間を、9時からに短縮しました。

さらに、年中無休だったところ、毎週水曜日を定休日に。これは、毎日営業していることが当たり前のスーパーでは、極めて勇気のいることでした。

なぜ、それができたのか。そのころにはすでに、エスマートには確実な「顧客数」があったからです。

エスマートの店内には店主が目利きした品が並び、店内のあちこちには読むだけで楽しいPOP(店頭販促物)が貼られています。そして、行くたびに新しい情報に出合えます。店内には楽しそうなおしゃべりの声や、笑い声が絶えません。だから、エスマートには熱狂的なファンが数多くいるのです。

「私、週末にここに来る楽しみがあるから、1週間つらい仕事を頑張れるんです」といった言葉をいただくこともあるそうです。

しかし、それだけ支持されているからこそ、営業時間や営業日を減らすのは大きな決断だったと思います。結果は、どうなったのでしょうか。

営業時間を減らすことで売上が減るどころか、むしろ伸びたのです。

その後エスマートでは、毎週火曜と水曜の完全週休2日になり、2024年3月からは、なんと週休3日になっています。しかし、売上・利益ともに過去最高を更新し続けているのです。

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