現在、日本が直面している問題は、外交問題、格差や差別の解消、防災や被災地支援、子育て支援、教育問題など、山積みだ。そして、経済問題についても、重要な争点が多々ある。 本稿では、これらの問題のうち、経済問題に絞って論じることとしたい。
経済問題の範疇においても、金融政策、増税問題、社会保障制度の改革、長期的な成長戦略など、さまざまな論点・争点がある。
今回の選挙は準備期間が短いこともあり、これらの問題について、本格的な論戦をどれだけ行なえるかは疑問なしとしないが、限られた時間の中で、できる限りの議論が行われることを望みたい。
異次元金融緩和からの脱却
金融政策に関しては、アベノミクスにおける大規模金融緩和からの脱却をいかに行うかが問題だ。金融正常化という方向付け自体は規定路線となっているが、それをどのようなスピードで、どの程度まで進めるかという問題がある。
本来、金融政策は日本銀行が決定し実行する問題であり、中央銀行独立性の原則から、それに対して政治や行政が介入するのは望ましくないと考えられている。ただし、金融政策が経済活動の全般にわたって広く大きな影響を与えることから、選挙における論点とすることは問題ではない。むしろ必要とされることだろう。
石破氏は、自民党総裁選の過程で、アベノミクスの再検討を訴えたが、この路線をどう評価し、どう進めていくかは、総選挙においても問題とされるべきだろう。
次期政権が避けて通れない課題として、増税と社会保障負担の増加がある。
まず、防衛費増額の財源を確保する必要がある。これについては、増税で行うという方針が、岸田内閣によって決定されている。この決定を具体化し実行することが、次期政権の極めて重要な責任だ。
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