「ジャンポケ」残った太田博久、おたけの実力は? トリオとしての歯車は噛み合っていた

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斉藤はトリオの切り込み隊長のような役割で、先陣を切ってバラエティ戦線に乗り込んでいった。器用にトークができるタイプではないが、話に詰まっても大声を張り上げて「はーい!」などのギャグで無理矢理オチに持っていく。それもまた一つの芸だった。

彼らはテレビに出るようになってからも、地道にネタを作り続けてきた。そして、コント日本一を決める大会『キングオブコント』で優勝することを目標にしてきた。その努力の甲斐あって、2015年には初めて『キングオブコント』の決勝に進んだ。

ここで見事なネタを披露して底力を見せつけた。キャリアを重ねたことで彼らのコントも進化を遂げていた。斉藤の個性を生かしながらも、そこに頼ることなく、ネタ作りのうまさで笑いを取っていた。すでにテレビの人気者というイメージもあった彼らが、コントの達人として改めて評価された瞬間だった。

残った2人も実力は本物

その後、彼らは2017年まで3年連続で『キングオブコント』の決勝に進んだ。彼らのネタはわかりやすく、幅広い層に受け入れられやすいものを持っている。そういう部分も審査員に評価されたのだろう。

ジャングルポケットは、バラエティタレントとしてもコント芸人としても、揺るぎない地位を確立していた。トリオとしての歯車は噛み合っていて、何もかもが順調だったように見えた。

だからこそ、今回のトラブルは本当に残念でならない。おたけと太田はお笑いコンビ「ジャングルポケット」として、新たな道を歩み出すことになる。険しい道のりではあるが、ここまで来た彼らの実力は本物だ。見る側の立場としては、騒動のことはいったん忘れて、2人の今後の活動を見守っていきたい。

ラリー遠田 作家・ライター、お笑い評論家

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らりーとおだ / Larry Tooda

主にお笑いに関する評論、執筆、インタビュー取材、コメント提供、講演、イベント企画・出演などを手がける。『イロモンガール』(白泉社)の漫画原作、『お笑い世代論 ドリフから霜降り明星まで』(光文社新書)、『教養としての平成お笑い史』(ディスカヴァー携書)、『とんねるずと「めちゃイケ」の終わり〈ポスト平成〉のテレビバラエティ論』(イースト新書)など著書多数。

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