IBMも決断、止まらない地銀システム「大同団結」 システム共同化を契機に業務提携の深化も

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「共同化の共同化」のメリットは、規模の経済が働くことだ。地銀にとっては保守費用の抑制や技術者の有効活用、一括調達によるメインフレームの安定供給などが期待できる。加えて、基幹システムという共通項を越えた、地銀同士の業務提携という副次的な効果も期待できそうだ。

共同化を進める地銀の間では、システム以外の側面でも連携を深める傾向にある。Chance参加行は2023年末、ストラクチャードファイナンスの案件情報やノウハウを共有する協議会を立ち上げた。じゅうだん会も定期的に会合を開き、参加行の間で情報交換を行っている。

ある地銀のシステム担当者は、「最初はシステム運用を目的に集まるが、顔合わせを重ねるにつれて、お互いの人となりがわかってくる。すると、別の事業でも連携を模索する機運が高まる」と話す。

今年3月には、じゅうだん会とTSUBASAがデジタル化や店舗運営の効率化などで研究会を設立した。ある参加行の幹部によれば、両グループの中核である八十二銀行と千葉銀行が主導したといい、両グループともIBM製の基幹システムを共同利用していることが、パートナー選びのきっかけとなったようだ。IBMの新たなプラットフォームが始動することで、さらなる広域連携が進む可能性がある。

NTTデータも着々

「共同化の共同化」を進めるのはIBMだけではない。NTTデータは今年2月、同社の基幹システムを利用する地銀向けに「統合バンキングクラウド」の開発に着手したと発表した。まずは2028年にも「地銀共同センター」に提供。ゆくゆくはほかの3グループにも拡大し、国内地銀の約4割を巻き込みたい考えだ。

NTTデータの共同化システム利用行

基幹システムを媒介とする本業連携は、NTTデータ側でも起きている。MEJAR参加行は2022年から、脱炭素融資や研修などで協業を進める。さらに地銀共同センターとの間でも、2021年にシステム運用や人材育成などで協業するワーキンググループを立ち上げている。

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