IBMも決断、止まらない地銀システム「大同団結」 システム共同化を契機に業務提携の深化も

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かつては効率よりも自由度を優先し、あえて単独で基幹システムを運用する地銀が少なくなかった。だが、IBM・NTTデータ両陣営で共同化の共同化が進み、コスト削減や業務提携などの利点が増えれば、相乗りする地銀が増える可能性がある。

実際、共同化の枠組みの外にいる地銀は年々減っている。単独でIBMの基幹システムを利用していた伊予銀行は、2028年から日立製作所の「Open Stage」に移行すると決めた。同システムは静岡銀行で稼働し、滋賀銀行や京葉銀行も採用を決めている。

同じくIBMの基幹システムを利用していた島根銀行も、福島銀行が先行して採用していたSBIグループ製の共同化システムに2025年から乗り換える予定だ。SBIは島根・福島両行の大株主でもあり、資本だけでなくシステムでも関係を密にする。

富士通ユーザーは草刈り場か

今後注目が集まりそうなのが、富士通製の基幹システムを利用する群馬・東和・富山第一銀行の動向だ。富士通は2030年度でメインフレームの製造・販売を、2035年度に保守を終える予定で、3行にとっては他社システムへの乗り換えが現実味を帯びているからだ。

群馬銀行は「2029年の更改に向け、クラウド化も視野に入れる」とし、富山第一銀行も共同化システムに参加する意向をにじませる。

銀行に基幹システムを提供するベンダーの幹部は「マネーロンダリングやサイバーセキュリティー対策など、もはや銀行単独での対応は困難だ。共同化の流れは止まらない」と指摘する。寄らば大樹の陰と考える地銀が増えれば、ベンダーの勢力図や地銀の提携関係を変容させる台風の目となる。

一井 純 東洋経済 記者

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いちい じゅん / Jun Ichii

建設、不動産業の取材を経て現在は金融業界担当。銀行、信託、ファンド、金融行政などを取材。

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