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石破政権の誕生は「日本経済正常化」の第一段階だ 真の経済発展政策「社会資本・主義」が始まる

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  • 小幡 績 慶応義塾大学大学院教授
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新しい資本主義では需要サイドから供給サイドに焦点が移った。生産性向上、賃金上昇、すべてうまくいったともいえないが、少なくとも、日本経済の本当の問題点の認識が広まったということで功績は大きい。

「石破政権の課題」とは何か

そして、第3段階として、需要サイド、供給サイド、という部分的なものではなく、市場経済という一部ではなく、社会全体の問題に取り組むことで、真の経済発展を目指す道へ日本経済を立て直すのが、これからの石破政権の課題である。

株式市場に関していえば、バブル的なブームで勢いをつけて、どん底から抜け出したアベノミクスによる株価上昇、岸田政権の株主重視に経営者の舵取りのバランスを変えることによって、株主たちに評価されるようにした、株価上昇戦略、PBR(株価純資産倍率)改善によるさらなる日本株ブームは、それはそれでいいが、その先が重要なのである。

つまり、この第1のバブル的な勢い(ホップ)、株主へのプレゼンだけを改善した第2段階(ステップ)ときて、第3段階は、本質(ジャンプ)である。つまり、バブルでも、株主へのプレゼンでもなく、実体経済における主体としての企業、雇用、賃金、利益、そして、社会に貢献し、社会資本の充実を側面で支援するような企業を生み出す、要は、ファンダメンタル的な企業の発展の段階に入ったのである。

これはひとつ問題がある。本質を追求すると、それは短期的なブームを作り出して短いタイムスパンでキャピタルゲインを狙うトレーダーたち、長期投資家といいながら、結局は株価が上がってキャピタルゲインを得るために売却して儲けるファンド投資家に支配されている21世紀の株式市場においては、企業価値を、真の意味で充実、発展させる経営者との利益の食い違いは解消されないからである。

いや、昨今の状況(高市トレードや石破トレードに見られるような、そして、その乱高下が、経済政策の本質的な価値や実体経済をあらわしていると勘違いしているほとんどのメディアや有識者)からすれば、食い違いは、本質に企業や政府が取り組めば取り組むほど、拡大する可能性がある。

したがって、イシバノミクスでは、株価は、現在の膨張している水準からは下落するであろう。しかし、それこそが、長期的な発展の始まりとなるサインであると、私は見ている。 

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