ベトナムで「なぜか公認会計士」52歳日本人の覚悟 日系企業が続々躍進「加速経済ベトナム」の魅力
一例をあげますと、日本発の飲食店や食品も大人気で、すき家やCoCo壱番屋、丸亀製麺、シャトレーゼなど、日本でもお馴染みの看板やロゴをホーチミン市やハノイ市の街中で目にすることが増えてきました。
ベトナムの「国民食」をつくったエースコック
そのパイオニアであり、圧倒的な知名度を誇る存在といえば、なんといってもエースコックです。同社が紆余曲折の末に2000年に販売開始した「Hao Hao」(ハオハオ)という商品は、ベトナムの即席麺市場でナンバーワンのシェアを誇っており、消費量は2021年末の時点で累計300億食にまで達しています。
2018年にはベトナム版ギネスブックとして知られる『ベトナム・ブック・オブ・レコード』に登録されるなど、今やHao Haoは押しも押されもせぬ国民食となっているのです。ベトナムの人たちに「好きな即席麺は何?」と問えば、多くの人たちが間髪入れずに「Hao Hao!」と答えてくれるでしょう。
むろん、この看板商品の誕生でAcecook Vietnam(エースコックベトナム/エースコックのベトナム法人)の即席麺業界でのシェアは急拡大、現在はナンバーワン企業にまで成長しています。
ベトナム国内での生産体制も充実しており、すでに南部のホーチミン市(2工場)とビンズン省(2工場)、北部のフンイエン省(2工場)とバクニン省(2工場)、中部のダナン市(1工場)とメコンデルタ地域のビンロン省(2工場)といった具合に、ベトナム全土に生産・販売拠点を拡大しているほか、現地スタッフの数も6000人超となっています。
そして、この充実した生産体制の下、同社はベトナム国内のみならず、世界40カ国以上に対して輸出事業を展開。Hao Haoをはじめ、さまざまなベトナムの味を世界に届けています。
菓子分野では亀田製菓が奮闘中で、なかでもベトナム人向けの「ICHI」というライスクラッカーが大人気です。
これは同社の看板商品のひとつである「揚一番」をベースに、ハチミツを加えたり、食感をやわらかくしたりといった現地化に取り組んだ商品で、今ではベトナムのスーパーマーケットやコンビニでごく当たり前に見かけるほどの定番商品になっています。
このように、ベトナムで躍進を続ける日本企業は、枚挙にいとまがありません。今後、なかなか成長が見込めない日本経済ですが、業界を問わず、日本企業の強みを活かせば、ベトナムはまさに「チャンスの宝庫」です。
ベトナムで日系初の会計系コンサルティングファームを設立した我々が、不退転の覚悟で日系企業のベトナム進出をサポートしているのには、こうした理由があるわけです。
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