ベトナムで「なぜか公認会計士」52歳日本人の覚悟 日系企業が続々躍進「加速経済ベトナム」の魅力

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こうした状況だったにもかかわらず、私がベトナムに注目し、自らアーサーアンダーセンベトナム(現・KPMGベトナム)に駐在し、すぐさまベトナムで日本人初のベトナム公認会計士資格を取得し、現地で日系初の会計系コンサルティングファームを立ち上げたのはなぜか。

それはひとえにベトナムの活気と勢いを肌で感じ、惹きつけられたからです。とりわけバブルが崩壊し、失われた30年に突入しはじめていた当時の日本と比すると、当時のベトナムの勢いには眩しさが感じられるほどでした。

経済成長が進み、今やベトナムの人口は直近の報道(2024年)では1億人に達し、1人当たりの名目GDPは4284ドル(2023年)に達しています。日本の1人当たり名目GDPが目減りしてしまっているのに比べ、ベトナムはこの30年で23倍も伸びていることになります。

では、長期的にはどうなるのでしょうか。政府目標としては2030年までは7%成長、2030~2050年も6.5~7.5%成長を果たしていくとしています。それにより、2025年までに下位中所得国を脱し、2030年までに上位中所得国、そして2045~2050年には先進国(高所得国)入りを果たすことを目標に据えています。

10年間、7%成長を続けると、複利効果で経済規模は2倍になります。すでに相当の経済規模になっているベトナムですが、あと10年で2倍、そして20年後には4倍、30年後には8倍になるというわけですから、1人当たり名目GDPも2050年には今の日本とほぼ同じ3万2000ドルを超える水準になりそうです。

むろん、あくまでも政府の目標なので、下振れる可能性も高いのですが、少し下がったとしても東南アジアのなかでトップクラスの成長をしていくのは間違いないと思います。

日本の1人当たり名目GDPがこのまま鈍化したり、低下したりしていくと、ひょっとしたらそのころにはベトナムに追い越されているかもしれません。

3000~4000社もの日系企業が進出

こうした背景から、ベトナムにはベトナム日本商工会議所加入の日系企業だけで約2000社が進出しており、実際には3000~4000社あるとされています。

その業種も多岐にわたり、以前から多かった製造業だけでなく、ITやその他サービス業も積極的に進出。消費市場はもちろん、ベトナムの豊富な人材に注目し、高度なシステム開発などを手掛ける企業も増えています。

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