ベトナムで「なぜか公認会計士」52歳日本人の覚悟 日系企業が続々躍進「加速経済ベトナム」の魅力

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ただ、所得水準はまだまだ高いとはいえません。

ベトナム統計総局によると、2023年のベトナム人の1人当たりの平均月収は496万ドン(日本円にすると月収3万円ほど)と、成長が鈍化している日本と比べても10分の1以下です。

しかし、多くの国民たちが経済成長を肌で感じているからこそ、富裕層のみならず、若者たちも消費意欲が旺盛で、私たちからすると「所得に見合わないのではないか」と思えるほどのローンを積極的に組み、不動産や自動車、電子機器などを次々に購入していきます。

顕著な例としてあげられるのがスマートフォンです。パソコンの保有率は低いものの、スマホの保有率は非常に高く、ビジネスパーソンはもちろん、若者をはじめ道行く人たちの大勢がスマホを公私の両面でフル活用しています。

堅実に加速するベトナム経済

堅実な成長性も大きな魅力です。

 コロナ禍の影響(入国規制、行動規制)は甚大だったものの、2020年、2021年もプラス成長(2.9%、2.6%)を遂げ、世界的な物価高が問題視される昨今も、2045~2050年に先進国入りという政府目標の下、6~8%成長を遂げています。

日本をはじめ、多くの国がマイナス成長に陥った時期にこれだけの成長を遂げられたのはベトナム政府の対応、そしてその堅実な成長性によるところが大きかったと思います。

私がベトナムを初めて訪れたのは1993年、当時のベトナムの人口は7118万人、1人当たりの名目GDPは185ドルという状況でした。

数字を見ても明らかなように、当時のベトナムには経済的な豊かさはなく、富裕層もほとんどいませんでした。道路の舗装状況も悪く、街中は常に砂埃で覆われているような状態でした。

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