ビズリーチ"あの大企業社長"出演CMで訴える本気 「年収1000万円超」ハイクラス転職が増えた背景

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2つ目は、ビズリーチに次ぐ柱として育成中のHRMOS(ハーモス)事業のプロモーション強化だ。ビズリーチが社外人材採用のためのプラットフォームだとすると、ハーモスは社内人材登用のためのプラットフォームとなっている。

ハーモスには従業員のデータベースを基盤として、採用管理や目標・評価管理、勤怠管理といったさまざまなサービス・機能がある。今年7月には給与計算機能をそなえた「HRMOS労務給与」も提供。人事業務支援と従業員情報を一元化・可視化し、データに基づく人財活用を実現するサービスを目指している。

ハーモス事業では、今下期に「社内版ビズリーチ」の本格提供も予定する。ビズリーチで培ったノウハウを生かし、生成AIを使った社員のレジュメ作成、企業内のポジション要件を作成する。これを社内でのタレント検索や社内公募に生かし、企業内の最適配置の実現を目指している。仮に社内人材で充足できないポジションがあれば、ビズリーチで外部から採用するといったシナジーも見込める。

転職からキャリア全般の支援へ

南壮一郎社長は1976年生まれ。アメリカ・タフツ大学卒業後にモルガン・スタンレー証券入社。東北楽天ゴールデンイーグルスの設立に携わった後、2009年に起業した。写真は昨年12月にプライム市場へ移行した際の会見時(記者撮影)

ビジョナルの南壮一郎社長は決算説明会で「転職市場のデータプラットフォームと、人材活用のタレントマネジメントプラットフォームの両方を提供しているのはわれわれだけ。これを圧倒的な競争優位性として生かし、企業の人的資本経営における課題解決に生かしていきたい」と意気込んだ。

ハーモスの前期は約10億円の営業赤字だった。今期は積極的なプロモーションにより前期同水準の赤字想定で費用先行が続くが、2026年7月期に黒字化を計画する。売上高の87.5%をビズリーチ事業が占める中、転職以外の場面でも人材管理や登用の支援ができれば収益源が広がる。

「転職の会社」から「キャリア全般を支援する会社」に変貌していけるのか。社内版ビズリーチ構想が具現化する今期は、その成否を占う意味でも重要な1年となりそうだ。

常盤 有未 東洋経済 記者

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ときわ ゆうみ / Yuumi Tokiwa

これまでに自動車タイヤ・部品、トラック、輸入車、楽器、スポーツ・アウトドア、コンビニ、外食、通販、美容家電業界を担当。

現在は『週刊東洋経済』編集部で特集の企画・編集を担当するとともに教育業界などを取材。週刊東洋経済臨時増刊『本当に強い大学』編集長。趣味はサッカー、ラーメン研究。休日はダンスフィットネス、フットサルにいそしむ。

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