アップルと真逆、HTCが打ち出す「VR空間」の新戦略 どこでも使える「手軽さ」でシェア拡大を狙う

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VRで対戦ゲームに興じる子どもの様子
VRで対戦ゲームに興じる子どもたちの様子。LBEで複数人が楽しむには識別模様を床に用意しないといけないが、安価な養生テープを使って実現した(筆者撮影)

小山氏は、日本全国にこれを広めたいと考えているという。

HTCが描くVRの未来像

一方で、多くのVRデバイスが13歳以上を対象年齢としている点は課題がある。この点について、小山氏は「VRの年齢制限については、法律で決まっているわけではない。常時装着するのではなく、ゲームセンターでの短時間の体験程度では問題はないのでは」と独自の解釈を示し、“短時間の体験であれば10歳程度から”という新常識の定着を望んでいる。

HTCのトラッカー戦略とLBE展開は、単なる製品販売を超えたVR技術の普及と新たな体験を創出すものだ。トラッカーによるエコシステムの拡大と、LBEによる手軽なVR体験の提供は、相互に補完し合いながら、VR市場全体の成長を促進する可能性を秘めている。

HTCはかつてスマートフォンの市場で鳴らした存在だった。グーグルへの主要開発組織の売却を経て、VRに注力する方向性に舵を切った。スマホ事業も再起動を進めているというが、現時点ではパッとしたものは出ていない。今後の動向に注目したい。

石井 徹 モバイル・ITライター

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いしい とおる / Toru Ishii

1990年生まれ。神奈川県出身。専修大学法学部卒業。携帯電話専門媒体で記者としてのキャリアをスタート。フリーランス転身後、スマートフォン、AI、自動運転など最新テクノロジーの動向を幅広く取材している。Xアカウント:@ishiit_aroka

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