自動車技術者の年収「日米で最大6倍差」ある真因 トヨタの899万円が高いと思ったら大間違い

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自動運転を開発できるだけの技術をもった者が、アメリカにいて日本にいないことは、日米技術者の給与を比較すると、よくわかる。

トヨタ自動車の従業員の平均年収は、899万円だ(Yahoo!Financeによる)。

アメリカではどうか? 転職情報サイトlevels.fyiのデータによれば、ソフトウエア・エンジニアの年収(円換算値)は、次のとおりだ(基本給の他、ボーナス、ストックオプションなどを含む)。

ウェイモ(サンフランシスコの無人タクシーを開発・運用している企業)のL5(5段階のうち、下から3番目のランク)の年収は、5795万円だ。

テスラについてみると、P3(6段階の下から3番目のランク)の年収が2997万円となっている。

日米の技術職の給与差は3〜6倍程度

以上のデータから、大雑把に言えば、アメリカのハイテク自動車会社の技術者の給与は、日本の3倍から6倍程度と考えてよいだろう。きわめて大きな差だ。

日本の場合の平均賃金を決めているのが主として工場労働者であるのに対して、上で見たのは、技術開発を行っているエンジニアであるから、対象となっている人材の質が異なり、そのために、差が生じるのだ。

つまり、企業の中でどのような従業員が支配的かという構造が、日米間で違うのだ。ウェイモやテスラの場合に付加価値を生みだしているのは、工場労働者というよりは、新しい技術を開発している技術者なのである。

そして、アメリカのハイテク自動車メーカーで自動運転技術を開発しているレベルの技術者が、日本のメーカーにはいない(少なくとも、支配的な存在ではない)。

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