わずか19室、瀬戸内の高級宿「ガンツウ」の真骨頂 コロナ禍を経て「高級ホテル」が選ばれる事情

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ホテルにおいては、お客様がそこで過ごす時間がレストランや店舗と比較しても圧倒的に長くなります。旅行であれば日常から離れて心身ともに休むこと、出張であれば長い1日の終わりに安らぐことという、高い期待値を持ってゲストは訪れます。

到着してスタッフに迎えられる瞬間や、家族とともに楽しむディナー、そして眠りにつくまで。翌朝目覚め、美味しい朝食を食べて出発時にスタッフに見送られるまで。

従業員が1つひとつの体験を少しでも良くすることは、お客様の満足度に直接的につながります。特にラグジュアリーホテルは、こういった価値提供に力を入れる傾向にあるといえます。

みなさんご存じの「ザ・リッツ・カールトン」に代表されるように、ラグジュアリーホテルではいくつもの伝説的なサービスが生まれています。

総じて価格の高いホテルを選択し宿泊するということは、「顧客に徹底的に寄り添い、サポートするという、ラグジュアリーホテルの普遍的な価値を体験できる」ということなのです。

美しい国の、美しい一日がある。

私が社会人になって初めての出張で行ったホテルが、建て替え前の「パレスホテル」(現・パレスホテル東京)でした。

1960年、(株)パレスホテルが設立され、パレスホテルの歴史がスタートします。1961年10月、当時としては初めてオフィスビルを併設したパレスホテルは、国内外の賓客を迎えて盛大な開業披露パーティーを開催。最新設備を備えた近代的ホテルとして誕生しました。

建築物としての評価も高く、約166万枚の信楽焼の小口タイルを使用した外壁などが認められ、1963年に建築業協会賞(現在のBCS賞)を受賞しました。また、1997年にはホテル業界で初めて、ホテル内での生ゴミを有機肥料に変える循環型リサイクルシステムを実現し、“人と環境に優しいホテル”としても知られることとなりました。

2012年5月には、「パレスホテル」から新しく「パレスホテル東京」として生まれ変わりました。

パレスホテル東京のすごさは、丸の内という好立地に甘えることなく、「ジャパニーズ・ラグジュアリーホテルのフロントランナー」という立ち位置を、明確に国内外に発信し続けているということです。

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