ほぼ「五公五民」の国民負担率は本当に高いのか OECD加盟国には「負担率86.8%」という国もある
もちろん、税金のなかにも、なんらかの決まりがあるものもあります。
たとえば、消費税は、社会保障のための費用にあてることが、現在は法律のルールで決められています。ほかにも、地方自治体に支払う地方税にも、その使い道や、特定の財源にあてることが法律や条例のルールで決められているものもあります。
使い道があらかじめ決められている税金は「目的税」というのですが、税金の多くは通常その使い道までは決められていない「普通税」であるのが一般的です。
このように「違い」もありますが、実際に支払わなければならないものとして、わたしたちが法律のルールに従って負担することになる点では「似ている」ことがわかりました。
50%近くに達する日本の「国民負担率」
これらの「税金」と「社会保険料」は合わせて「国民負担」と呼ぶことがあります。そして、その割合を専門的には、「国民負担率」といいます。
統計データにおいても、日本の国民負担率がどれぐらいであるのか、諸外国の国民負担率がどれぐらいであるのか、ということが、比較検討の対象になっています。日本の国民負担率は、次のとおりです。
財務省のホームページをみると、2024(令和6)年2月9日付の公表で「令和6年度の国民負担率を公表します」というタイトルの記事があります。
これを読むと、「租税負担率と社会保障負担率を合計した国民負担率について、令和6年度の見通しを推計しましたので、公表します」という文章があります。
そして次のように、3年分の最新の国民負担率が記載されています。
・2023(令和5)年度 46.1%(実績見込み)
・2022(令和4)年度 48.4%(実績)
出典:財務省HP「令和6年度の国民負担率を公表します」参照
50%近い負担を国民がしているとは、「けっこうな負担をしているのだな」と思われたかもしれません。財務省ホームページには、続けて、「国民負担に財政赤字を加えた潜在的な国民負担率は、50.9%となる見通しです」という記述もあります。
税金と社会保険料の負担を合わせた「国民負担」は明確な支払いをともなう負担ですが、国の1年の収入は税金だけでまかなわれているものではありません。
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